ソビエト連邦がフィンランドに侵攻した冬戦争(1939年~1940年)の際、負傷して倒れていたフィンランド兵にソ連の兵士がライフルを向けながら近づいてきました。フィンランド兵はもうだめだと思いました。しかし、相手は応急処置のキットを渡して立ち去りました。その兵士は、なんと後日、逆の立場で同じ状況に出くわしました。負傷して倒れているソ連の兵士に遭遇した彼は、医療品を渡して立ち去ったのです。

イエスの重要な指針は「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」です(マタ7:12)。もし、キリスト者がこの原則だけでも守ったなら、世界はどれほど変わるでしょう。私たち皆が、イエスの知恵に従い、相手の状況、相手のつらさを、自分事にする対応ができたなら、抑圧された人は、どれほど減るでしょう。人に「良い物を与える」ことは、私たちに良い物を与えてくださる天の父の御心を反映します(11節)。

相手を赤の他人だとか、何かを争う競争相手だとか、敵だと見なさないことが極めて重要です。自分と同じように、同情や親切を必要とする人だと理解しましょう。そうすれば、物の見方や態度が変わります。そして、神が惜しげもなく与えてくださった愛を、神が機会を下さったときに、余すところなく相手に差し出すことができます。