キリストにある自由
その男性は、1849年、「衣類」と記された木箱(約90×75×60cm)に身を潜め、2人の協力者によって、バージニア州リッチモンドからフィラデルフィアに送られました。空気穴三つの箱の中で26時間過ごした人の名前は、ヘンリー・「ボックス(箱)」・ブラウン。奴隷制度廃止論者たちに箱から出されると、詩編40編をもとにした歌で、自由を約束する神に託した希望を表しました。後に、「もし、私のように自由を奪われた経験がないなら、自由に対する希望の力を認識することはできない。それは私にとって、決して揺るがない、まさに魂の錨(いかり)だった」と書いています。
神に協力する
タリバンがアフガニスタンを制圧した2021年、多くの人が逃げ惑いました。それを見て行動を起こした普通の人もいます。例えば、ある青年は、国外脱出用のチャーター機の費用10億円相当を募るキャンペーンをSNSで行いました。彼は取材に「私たちは、政治的な違いを捨て、年齢・人種・宗教・社会的立場などに関係なく団結して、あの人たちを救いたいのです」と語りました。彼らは、騒然とした渦の中に飛び込むことを選んだのです。
すがすがしい気前の良さ
アルバート・アインシュタイン医科大学の講堂を埋め尽くした医学生たちは、90歳のルース・ゴッテスマンの話を熱心に聞いていました。ルースは、講演を締めくくるにあたり、在学生たちが卒業まで学費を払わなくていいように10億ドルを寄付すると公表しました。医科大学への寄付としては過去最高です。会場はどよめきと歓声に包まれました。しかし、講演後、ルースはまるで、彼女の方が贈り物をもらったように喜んでいました。彼女は寄付できて光栄だと明るく語りました。
心の驕りと破滅
ジョン・テイラーは、18世紀のイギリスの眼科医です。著名人に目をつけ、名医と自称し、ジョージ2世の専属眼科医になりました。各地を巡回し、奇跡を約束して手術を執刀すると、夜闇に紛れて姿を消しました。村人たちからかすめ取った金で膨れ上がったカバンを持って……。
小さくても大きいもの
ナスダック株式市場の取引が一時的に停止しました。1987年12月9日、コネチカット州にある送電線をリスがかみ切ったせいです。世界の巨大企業は、ぼうぜんと立ち尽くすだけでした。たった一匹の小さな動物のせいで、世界経済は、約1時間半、ひやひやしながら状況を見守るだけでした。
見えないものを信じる
米国の広大なセコイアの森は、19世紀末までほぼ未踏の地で、巨木の存在を信じない人も少なくありませんでした。しかし、1892年、4人の木こりが、カリフォルニアのビッグ・スタンプと呼ばれる森に入り、巨木を13日かけて切り倒しました。その樹齢1341年、高さ90メートル、幹回り15メートルの木は、マーク・トウェインと命名されました。現場にいた一人は「形も堂々として美しく、森の中で最も完璧な木の一つ」と称賛したそうです。木の一部はアメリカ自然史博物館に運ばれ、人々はセコイアを鑑賞しました。
主を待ち望む
内戦が勃発し招集令状が届いた時、その人は「故国や同胞を傷つけることに一切関わらない」と決意して出国しました。しかし、適切なビザを持っていなかったために、到着した国の空港で足止めされました。空港職員は、数カ月間、食べ物を差し入れました。彼は希望にすがりつき、ターミナルでのつらい生活、自作の編み物の画像をツイートし、それを何千人もがフォローしました。やがて、この人の苦境を知ったカナダのある町の人々が資金を集め、彼を亡命者としてカナダに入国させ、仕事と家を見つけてあげました。
闇からの救出
タグボートがナイジェリアの沖合約30k mで沈没し、天地が逆さまの状態で海底に沈みました。乗員11人は溺れましたが、調理師のオケネはエアポケットを見つけ、救出を待ちました。口にできるものは1本のコーラだけ。2本の懐中電灯は最初の24時間で電池切れになりました。彼は丸3日、暗い海底の沈没船の奥で恐怖に震えていました。捜索のダイバーに発見された時は、希望を失いかけていました。
善をもって悪に打ち勝つ
主人公が動物と会話するドリトル先生の物語は、小説や映画、演劇を通して多くの人に愛されてきました。しかし、これが書かれた経緯はあまり知られていません。原作者のヒュー・ロフティングは、第一次世界大戦に従軍中、自分の子どもたちに送った手紙に、この物語を記しました。彼は後年、戦場のありさまは手紙に記すにはひどすぎたと語りました。この楽しい物語は、戦争の残忍さに抗うロフティングの創造的なアプローチでした。