民数記 15:1-16:35
献げ物に関する補則
1主はモーセに仰せになった。 2イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。わたしが与える土地にあなたたちが行って住むとき、 3特別の誓願を果たすため、あるいは随意の献げ物をささげるとき、または祝日に、牛もしくは羊の群れから取って焼き尽くす献げ物あるいは和解の献げ物とし、燃やして主にささげる宥めの香りとするときには、 4奉納者は十分の一エファの上等の小麦粉に四分の一ヒンのオリーブ油を混ぜた穀物の献げ物を主に対する献げ物としてささげる。 5また、焼き尽くす献げ物あるいは和解の献げ物に加え、小羊一匹につき四分の一ヒンのぶどう酒をぶどう酒の献げ物としてささげる。 6雄羊の場合には、十分の二エファの上等の小麦粉に三分の一ヒンのオリーブ油を混ぜた穀物の献げ物と、 7三分の一ヒンのぶどう酒をぶどう酒の献げ物として主にささげて、宥めの香りとする。
8特別の誓願を果たすため、あるいは和解の献げ物として若い雄牛を焼き尽くす献げ物あるいはその他のいけにえとして主にささげるときには、 9若い雄牛に加えて、十分の三エファの上等の小麦粉に二分の一ヒンのオリーブ油を混ぜた穀物の献げ物と、 10二分の一ヒンのぶどう酒をぶどう酒の献げ物としてささげる。それは、燃やして主にささげる宥めの香りである。
11雄牛一頭、あるいは雄羊、小羊、子山羊それぞれ一匹について、以上のようにささげる。 12すなわち、あなたたちのささげる数に応じて、一匹ごとに、その数に応じて以上のようにささげる。 13土地に生まれた者はすべて、以上述べたように、燃やして主にささげる宥めの香りをささげる。 14あなたたちのもとに寄留する者や何代にもわたってあなたたちのもとに住んでいる人も、燃やして主にささげる宥めの香りをささげるときには、あなたたちの場合と同じようにする。 15会衆は、あなたたちも寄留者も同一の規則に従う。これは代々にわたって守るべき不変の定めである。あなたたちも寄留者も主の前には区別はない。 16あなたたちも、あなたたちのもとに寄留する者も、同一の指示、同一の法に従わねばならない。
17主はモーセに仰せになった。
18イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。
わたしが導き入れる土地にあなたたちが入り、 19そこから得た糧を食べるようになるときには、その一部を献納物として主にささげなさい。 20初物の麦粉で作った輪形のパンを献納物とし、麦打ち場からの献納物と同じように、それをささげる。 21あなたたちは、初物の麦粉で作ったものの一部を代々にわたって献納物として主にささげねばならない。
22あなたたちが過ちを犯し、主がモーセに告げられたこれらすべての命令を守らなかった場合、 23つまり、主が命じられた時以来、代々にわたってモーセを通してあなたたちに命じられたすべてのことを守らなかった場合、 24それが共同体の目に触れず、過ってなされたなら、共同体全体は若い雄牛一頭を焼き尽くす献げ物として主にささげる宥めの香りとし、これに加えて、定められたとおりに穀物の献げ物、ぶどう酒の献げ物をささげ、更に、雄山羊一匹を贖罪の献げ物としてささげる。 25祭司がイスラエルの人々の共同体全体のために贖いの儀式をすると、彼らの罪は赦される。それは過失だからである。彼らは献げ物を燃やして主にささげる。それは贖罪の献げ物であって、彼らの過失のために主の御前にささげるものである。 26イスラエルの人々の共同体全体の罪およびあなたたちのもとに寄留する者の罪は、こうして赦される。これは、過失が民全体に及ぶ場合である。
27もし、個人が過って罪を犯したときは、一歳の雌山羊一匹を贖罪の献げ物としてささげなさい。 28祭司が、過って過失の罪を犯した人のために、主の御前に贖いの儀式をすると、彼の罪は赦される。 29イスラエルの人々のうち、その土地に生まれた者も、あなたたちのもとに寄留する者も、過って罪を犯した場合には、同一の指示に従う。 30ただし、土地に生まれた者であれ寄留者であれ、故意に罪を犯した者は、主を冒瀆する者であり、その人は民の中から断たれる。 31彼は主の言葉を侮り、その命令を破ったのであるから、必ず断たれ、その罪責を負う。
安息日の違反
32イスラエルの人々が荒れ野にいたときのこと、ある男が安息日に薪を拾い集めているところを見つけられた。 33見つけた人々は、彼をモーセとアロンおよび共同体全体のもとに連れて来たが、 34どうすべきか、示しが与えられていなかったので、留置しておいた。 35主はモーセに言われた。「その男は必ず死刑に処せられる。共同体全体が宿営の外で彼を石で打ち殺さねばならない。」 36共同体全体は、主がモーセに命じられたとおり、彼を宿営の外に連れ出して石で打ち殺したので、彼は死んだ。
衣服の房
37主はモーセに言われた。
38イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。
代々にわたって、衣服の四隅に房を縫い付け、その房に青いひもを付けさせなさい。 39それはあなたたちの房となり、あなたたちがそれを見るとき、主のすべての命令を思い起こして守り、あなたたちが自分の心と目の欲に従って、みだらな行いをしないためである。 40あなたたちは、わたしのすべての命令を思い起こして守り、あなたたちの神に属する聖なる者となりなさい。 41わたしは、あなたたちの神となるために、あなたたちをエジプトの国から導き出したあなたたちの神、主である。わたしはあなたたちの神、主である。
コラ、ダタン、アビラムの反逆
1さて、レビの子ケハトの孫でイツハルの子であるコラは、ルベンの孫でエリアブの子であるダタンとアビラム、およびペレトの子であるオンと組み、 2集会の召集者である共同体の指導者、二百五十名の名のあるイスラエルの人々を仲間に引き入れ、モーセに反逆した。 3彼らは徒党を組み、モーセとアロンに逆らって言った。「あなたたちは分を越えている。共同体全体、彼ら全員が聖なる者であって、主がその中におられるのに、なぜ、あなたたちは主の会衆の上に立とうとするのか。」
4モーセはこれを聞くと、面を伏せた。 5彼はコラとその仲間すべてに言った。
「主は明日の朝、主に属する者、聖とされる者を示して、その人を御自身のもとに近づけられる。すなわち、主のお選びになる者を御自身のもとに近づけられる。 6次のようにしなさい。コラとその仲間はすべて香炉を用意し、 7それに炭火を入れ、香をたいて、明日、主の御前に出なさい。そのとき主のお選びになる者が聖なる者なのだ。レビの子らよ、分を越えているのはあなたたちだ。」
8モーセは更に、コラに言った。「レビの子らよ、聞きなさい。 9イスラエルの神はあなたたちをイスラエルの共同体から取り分けられた者として御自身のそばに置き、主の幕屋の仕事をし、共同体の前に立って彼らに仕えさせられる。あなたたちはそれを不足とするのか。 10主は、あなたとあなたの兄弟であるレビの子らをすべて御自身のそばに近づけられたのだ。その上、あなたたちは祭司職をも要求するのか。 11そのために、あなたとあなたの仲間はすべて、主に逆らって集結したのか。アロンを何と思って、彼に対して不平を言うのか。」
12モーセは人をやって、エリアブの子であるダタンとアビラムを呼び寄せようとしたが、彼らは言った。「我々は行かない。 13あなたは我々を乳と蜜の流れる土地から導き上って、この荒れ野で死なせるだけでは不足なのか。我々の上に君臨したいのか。 14あなたは我々を乳と蜜の流れる土地に導き入れもせず、畑もぶどう畑も我々の嗣業としてくれない。あなたはこの人々の目をえぐり出すつもりなのか。我々は行かない。」
15モーセは激しく憤って主に言った。「彼らの献げ物を顧みないでください。わたしは彼らから一頭のろばも取ったことはなく、だれをも苦しめたことはありません。」
16モーセはコラに言った。「明日、あなたとあなたの仲間すべて、すなわち、あなたも彼らも、アロンと共に主の御前に出なさい。 17あなたたちは、おのおの香炉を取り、それに香を載せ、主の御前に持って来なさい。おのおの一つずつ、二百五十の香炉を持ち、あなたもアロンもそれぞれ自分の香炉を持って来なさい。」
18彼らはおのおの香炉を取り、それに炭火を入れ、香を載せ、モーセとアロンと共に臨在の幕屋の入り口に立った。 19コラは共同体全体を集め、臨在の幕屋の入り口でモーセとアロンに相対した。主の栄光はそのとき、共同体全体に現れた。 20主はモーセとアロンに仰せになった。 21「この共同体と分かれて立ちなさい。わたしは直ちに彼らを滅ぼす。」 22彼らはひれ伏して言った。「神よ、すべて肉なるものに霊を与えられる神よ。あなたは、一人が罪を犯すと、共同体全体に怒りを下されるのですか。」
23主はモーセに仰せになった。 24「コラ、ダタン、アビラムの住まいの周りから離れるよう、共同体に告げなさい。」 25モーセは立ち上がり、ダタンとアビラムのところに向かった。イスラエルの長老たちもついて行った。 26彼は共同体に言った。「この神に逆らう者どもの天幕から離れなさい。彼らの持ち物には一切触れてはならない。さもないと、彼らの罪のために、あなたたちは滅びる。」 27彼らはコラ、ダタン、アビラムの住まいから離れた。
ダタンとアビラムは、妻子、幼児と一緒に出て来て、天幕の入り口に立った。 28モーセは言った。「主がわたしを遣わして、これらすべてのことをさせられたので、わたしが自分勝手にしたのではない。それは次のことで分かるであろう。 29もしこの者たちが人の普通の死に方で死に、人の普通の運命に会うならば、主がわたしを遣わされたのではない。 30だが、もし主が新しいことを創始されて、大地が口を開き、彼らと彼らに属するものすべてを呑み込み、彼らが生きたまま陰府に落ちるならば、この者たちが主をないがしろにしたことをあなたたちは知るであろう。」 31こう語り終えるやいなや、彼らの足もとの大地が裂けた。 32地は口を開き、彼らとコラの仲間たち、その持ち物一切を、家もろとも呑み込んだ。 33彼らと彼らに属するものはすべて、生きたまま、陰府へ落ち、地がそれを覆った。彼らはこうして、会衆の間から滅び去った。 34彼らの周りにいた全イスラエルは、彼らの叫び声を聞いて、大地に呑み込まれることのないようにと言って逃げた。 35また火が主のもとから出て、香をささげた二百五十人を焼き尽くした。