組立式の本棚の箱を開き、取扱説明書と共に中身を取り出して床に並べました。取説には、やるべきこととやってはいけないことの図が載っていました。大きな×印がついた図には、板や工具を前に困っている人が描かれており、まるで私のようでした。そして隣には「正しい」組み立て方の図がありました。唯一の違いは、人間が二人いることです。そして二人は笑顔です。

私は夫を呼び、「あなたに手伝ってもらうこと、と書いてある」と取説を見せました。夫は笑い、私たちは一緒に作業をしました。自分だけでも頑張れば出来たかもしれませんが、取説に従って、二人でやった方が簡単でした。

パウロは、イエスを新しく信じた人たちに、信仰の道を一人で歩まないようにと忠告しました(ロマ12)。自己完結しようなどと「自分を過大に評価」(3節)することなく、自分は相互扶助の体の一部であり、体は各部分が助け合っているのだから、それを認識しなさいと語ったのです(4-8節)。

イエスは私たちが「兄弟愛をもって互いに愛」(10節)を実践することを教えてくださいます。それを学べば、「互いに思いを一つに」(16節)するという経験ができるでしょう。それができたなら、自分の必要や悲しみ、喜び(13、15節)を一人で抱え込まなくてもよく、人の必要や悲しみ、喜びをふさわしく受け止められるようになるでしょう。