ばあばのデートについていく

有名で、でもあんまり長くないところがいいから、イエスさまの語られた、いなくなった羊のたとえ話を読んでみようか。

ばあば、その話は教会学校で何回も聞いたから、もうよく知ってるよ!

あら?デートの相手にも「そこは前にも行った、それは前にも食べた」とかって言うかい?

確かに、そんなことないわ。好きな人と一緒なら、同じ場所でもそのたびに新しい相手の姿が知れるもの。聖書を読むときも、神さまとのデートとしてなら、何度も読んだ箇所でも毎回新鮮な発見があるってことね。

でも正直、この話、もう飽きたかな……。

さっき、楽しいデートには4つの鍵があるって言ったでしょ? 一つ目の鍵はね、みことばを【受け取る】 [ヤコブの手紙 1:21]
ですから、すべての汚れやあふれる悪を捨て去り、心に植えつけられたみことばを素直に受け入れなさい。みことばは、あなたがたのたましいを救うことができます。
こと。ここはこういう話だよね、と決めつけて聞き流さず、今、目の前で神さまが語ってくださってることばとして心を開いて [ルカの福音書 24:45]
それからイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて、
受け取れたら素敵だと思わない?

頭ではわかるけど……。

そうね、心を開いてみことばを受け取るには助けが必要かも……

そうか!神さまに素直にお願いしたらいいんだね。頑張っても自分の力だけじゃみことばを十分に受け取れないこともあるから。

じゃあ実際にお願いしようか。自分の言葉でもいいし、ばあばと一緒に祈ってもいいよ。

神さま。このみことばを、私のために御子をさえ惜しまず与えてくださったあなたの愛の語りかけとして「受け取る」ことができるよう助けてください。今、私の心を開いてください。アーメン。

じゃあ実際に読んでみようね。いなくなった羊のたとえ話はルカの福音書15章の1~7節だね。

ちょっと待って、イエスさまのたとえ話は4節からだよ。どうして1節から読むの?

あら?あなたは人の手紙やLINEをちゃんと読まずに誤解して、自分も相手も悲しい気持ちになったことがない?

部活で失敗して落ち込んでた時に「あなたは友だちじゃない!」ってLINEが来て、嫌われたと思ってすごく傷ついたの。でも直前のやりとりをよく読んだら「遠慮なく頼ってね」って意味だと気が付いたよ。

LINEでのやりとりにもみことばにも、前後や背景があるでしょう?難しい言葉で「文脈」って言うけど……

そうか、たとえ話だけ読んでも、それがいつ、誰に語られたかが分からないとイエスさまのメッセージを誤解しちゃうってことだね。

その通り!だから1節から、まずは一回読んでみようね。

ルカの福音書15章1~7節

15:1 さて、取税人たちや罪人たちがみな、話を聞こうとしてイエスの近くにやって来た。
15:2 すると、パリサイ人たち、律法学者たちが、「この人は罪人たちを受け入れて、一緒に食事をしている」と文句を言った。
15:3 そこでイエスは、彼らにこのようなたとえを話された。
15:4 「あなたがたのうちのだれかが羊を百匹持っていて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。
15:5 見つけたら、喜んで羊を肩に担ぎ、
15:6 家に戻って、友だちや近所の人たちを呼び集め、『一緒に喜んでください。いなくなった羊を見つけましたから』と言うでしょう。
15:7 あなたがたに言います。それと同じように、一人の罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人のためよりも、大きな喜びが天にあるのです。

さあ、じゃあもう一回、ゆっくり読んでみようか?

今読んだばっかりじゃん!なんでまた読むの?

好きな人の言葉って一言一句聞き漏らさないようにしないかい?大切な人のことばなら、後で何回も「脳内再生」するでしょ?

デートじゃないけど、サッカーのコーチのことばは結構脳内再生するなあ。その時はピンと来なくても「どういう意味だったのかな」って何度も考えてると、練習や試合の最中にふと分かることがあるんだ。そんなとき「ああ、コーチは僕のことをよく見て、あのことばをかけてくれたんだな」って実感する。

聖書のみことばにもつながる気がするね。

神さまの言葉も同じ。まさにそれが二つ目の鍵、【味わう】 [詩篇 1:2]
主のおしえを喜びとし
昼も夜も そのおしえを口ずさむ人。

[ヤコブの手紙 1:25]
しかし、自由をもたらす完全な律法を一心に見つめて、それから離れない人は、すぐに忘れる聞き手にはならず、実際に行う人になります。こういう人は、その行いによって祝福されます。
っていうこと。登場人物の表情や声色、その時の情景や書き手の考えをあたかも脳内再生するように、一言一句噛みしめながら、何度もゆっくり読んでごらん。次のようなポイントは、他のみことばを味わう時にも役立つヒントだよ。

みことばを味わう時に役立つヒント

  • 登場人物や語り手(書き手)の様子や表情、口調
  • 登場人物や語り手(書き手)の気持ちや考え
  • 描かれている情景や場面、それが書かれた背景
  • 著者がもともとの読み手に伝えたかったこと

気がついたことを忘れないように、メモしておいた方がいいね。

書き留めると頭にも残りやすくなるしね。どんなことが心に留まったか、後で聞かせてね。もう一度、何度もじっくり読んでごらん。

ルカの福音書15章1~7節

15:1 さて、取税人たちや罪人たちがみな、話を聞こうとしてイエスの近くにやって来た。
15:2 すると、パリサイ人たち、律法学者たちが、「この人は罪人たちを受け入れて、一緒に食事をしている」と文句を言った。
15:3 そこでイエスは、彼らにこのようなたとえを話された。
15:4 「あなたがたのうちのだれかが羊を百匹持っていて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。
15:5 見つけたら、喜んで羊を肩に担ぎ、
15:6 家に戻って、友だちや近所の人たちを呼び集め、『一緒に喜んでください。いなくなった羊を見つけましたから』と言うでしょう。
15:7 あなたがたに言います。それと同じように、一人の罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人のためよりも、大きな喜びが天にあるのです。

ところで、デイリーブレッドにこの箇所にぴったりなポッドキャストがあるの。ばあばのお勧めだから、後からでも聞いてみて。みことばを味わう楽しさがよくわかるよ。

みことばを十分に味わったら次へ