終わりを念頭に始める
子どもの頃に「大きくなったら何になりたい?」とよく聞かれました。私の答えは、医者、消防士、宣教師、ワーシップ・リーダー、物理学者など、ころころ変わりました。今、4人の子どもがいますが、彼らはこの質問に困惑すると思います。父として、君が得意なことを知っているよ、と言いたくなるときがあります。親のほうが、彼らをよく理解しているときがあるのです。
優しいヒレ
ある海洋生物学者がクック諸島沿岸で泳いでいると、突然、体重20トン以上のザトウクジラが現れ、ヒレの下に彼女を巻き込みました。彼女は万事休すと思いましたが、クジラはゆっくり旋回した後、彼女を放しました。その時、付近から離れ去るイタチザメの姿が目に映ったのです。彼女はクジラが自分を守ろうとしていたと信じています。
しもべは聞きます
タイタニック号の沈没の直前、別の船の無線技師シリル・エヴァンズは、氷山地帯が迫っているとタイタニック号の無線技師に告げようとしました。しかし、先方は乗客の私信の取り次ぎに忙しく、「黙れ!」と声を荒げました。仕方なくエヴァンズは無線を切って就寝し、その直後、悲劇が起こりました。タイタニック号のSOSに応答はありませんでした。誰も聞いていなかったからです。
重要な仕事
若い警備員がドアのロック部分に貼られたテープを発見してはがしました。しかし、しばらくして戻ってみると、また貼ってあります。彼は警察を呼び、5人の侵入者が逮捕されました。民主党本部があるワシントンD.C.のウォーターゲートビルで1972年に起こったことです。警備員の真面目な仕事ぶりが、特大の政治スキャンダルを露呈させました。
神の世界を耕す
幼い娘が「パパはなぜ仕事に行かないといけないの」と尋ねました。私に遊んで欲しいからです。仕事をさぼって遊べればよいのですが、職場にはすべきことが山積みです。しかし、なぜ働くのかという問いは大切です。自分や家族の生活費を稼ぐためというだけでしょうか。報酬を得ずにする仕事はどうでしょう。何のためにするのでしょう。
高価な喜び
軽快な音楽が聞こえると、私たち6人は、靴を履くや履かずやで家を飛び出し、アイスクリーム売りのトラックを追いかけました。待ち焦がれた夏の日を満喫するためにうってつけのごちそうです。私たちには、躾けられたり、義務感にかられたりではなく、ただそうしたいからする、というときがあります。
自分を過小評価する
若い選手がチームの主将になりましたが、初めて報道陣の前に立つと、コーチや同僚に返答をゆだね、常套句でぼそぼそ語るだけでした。シーズン中の成績も芳しくなく、トレードに出されました。その選手にはリーダーになるという意味が分からなかったのでしょう。もしくは、自分にはできないと初めから投げていたのかもしれません。
正しい選択
携帯電話の電波が届かず、地図もありません。登山口で見た地図の記憶だけを頼りに、1時間以上かかって森を抜け、やっと駐車場に戻りました。800メートルほど歩けばよいはずが、曲がり角を見過ごしたために、とんでもない距離を歩く羽目になりました。
パンの祝福
長女の13歳の誕生日、私たち夫婦は、彼女の誕生以来書きつづけてきた日記を贈りました。彼女の好き嫌い、ユニークな行動や発言などが記録されていますが、部分的には、神が彼女のうちにどう働いておられるかを垣間見て記した手紙のようです。娘は感激しました。ありのままの自分のルーツを知れたからです。