タイタニック号の沈没の直前、別の船の無線技師シリル・エヴァンズは、氷山地帯が迫っているとタイタニック号の無線技師に告げようとしました。しかし、先方は乗客の私信の取り次ぎに忙しく、「黙れ!」と声を荒げました。仕方なくエヴァンズは無線を切って就寝し、その直後、悲劇が起こりました。タイタニック号のSOSに応答はありませんでした。誰も聞いていなかったからです。

サムエル記第一によると、イスラエルの祭司たちは堕落し、霊の目と耳を失っていました。「そのころ、主のことばはまれにしかなく、幻も示されなかった」(Ⅰサム3:1)のです。しかし、神はご自分の民をあきらめず、祭司の家で育てられた少年サムエルに語りかけられました。サムエルという名前は「主は聞かれる」という意味です。彼の母の祈りを主が聞いてくださったからです。そして、サムエルは、神に聞く方法を学びました。

「お話しください。しもべは聞いております」(10節)。これが神に聞くしもべの姿勢です。私たちも聖書の教えに耳を傾け、従っていけるように、人生を神にささげ、主に常に耳を傾けているしもべの姿勢でいましょう。