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Lawrence Darmani

Lawrence Darmani

ローレンス・ダーマニ氏は、 ガーナ人作家です。 彼の処女作 「悲しみの子」は、 英連邦作家賞アフリカ部門にて新人賞を受賞しました。 ダーマニ氏は家族とともにガーナ ・ アクラに住んでおり、 Step Publishers の代表および編集者です。

寄稿一覧 Lawrence Darmani

宣べ伝えよう

陸上競技のリレーを見るのが好きです。アスリートに要求される体力、スピード、そして技と忍耐には、本当に驚かされます。しかしリレーには、ハラハラしながら注目する重大な瞬間があります。それは、次の走者にバトンを渡す瞬間です。一瞬の遅れや、ちょっとした失敗がレースの勝敗を分けるのです。

言うとおりにする

家に貯水槽が必要でした。これこれのように地下に設置して…と、はっきりした希望があったので、そう業者に伝えました。しかし次の日、現場に行くと、私の指示どおりではありません。業者が勝手に変更し、効果も半減していたので、ムッとしました。その上、指示に従わなかった言い訳をするのですから、それにもいら立ちました。

名誉ある生き方

名誉あるべき下院議員のほとんどは、実は恥さらしである。このように演説で語り注目を受けたのは、ある国の国会議員です。人々から尊敬される彼は、議員たちの常習化した横領や横柄な態度、また下品な言葉使いなどの悪行を挙げて、彼らを強く非難し、改心するように迫りました。しかし予想通り、下院議員たちはその発言を退け、むしろ彼を非難しました。

父は知っておられる

ある暑い夏の夜、まだ4才の私は、床に敷いたマットの上で父の横に寝ていました。母は当時、赤ちゃんがいて、別室で寝ていました。故郷のガーナ北部は、いつも乾燥しています。暑くて体中に汗をかき、喉が渇いたので、父を揺り起こしました。すると父は真夜中なのに起き上がって、水瓶から水を汲んで飲ませてくれました。父はいつも、そうでした。あの夜のように、優しく面倒見の良い父でした。私に必要なものをいつも与えてくれました。

頼れないものを頼る

私の趣味はバードウォッチングです。様々な鳥が生育するガーナの森で育ったので、そこで覚えました。さて、今住んでいる町にはカラスがいるのですが、最近、ある行動に気づきました。カラスは落葉した枝に降りて休んでいましたが、頑丈な枝ではなく、乾いてもろい、すぐに折れてしまう枝ばかりに止まります。枝が折れる度に羽ばたいて移動しますが、また同じような枝に止まり、いらぬ労力を費やします。どうやらこの鳥には、頑丈な枝が安全な場所だ、という感覚は無いようです。

国のためにともに祈る

私たちの国ガーナには、自分の国と他のアフリカ諸国のために、毎月熱心に祈る女性のグループがあります。なぜ祈るのかと聞くと、リーダーのギフティ・ダッジーさんは言いました。「周りを見回してください。ニュースを聴いてください。国々は戦争や災害、疫病で傷つき、暴力は、神の愛と祝福を見えなくしてしまいます。私たちは、神が国々の問題に介入してくださると信じています。ですから、祝福の神を賛美し、神の助けを求めて声を上げているのです。」

押し流されない

私たち夫婦は、学期末となった娘を迎えに100キロ離れた学校に行きました。家に帰る途中で浜辺のリゾート地に立ち寄り、お茶を楽しみました。海岸に目をやると、波に流されないようにつながれているはずの一隻のボートが、ゆっくりですが、確実に沖に向かっていました。

自分の話

その大ごとが起こったのは、1975年のことでした。親友のフランシスに知らせなければなりません。アパートに行くと、彼は出かけようと急いでいましたが、私の真剣な様子に、大切なことだと思ったのでしょう。「どうしたの?」と尋ねました。私は単刀直入に「昨日、イエスにいのちを明け渡した」と言いました。

羊のようだ

ガーナ北部で祖父と一緒に生活していたとき、私に与えられた家の手伝いは、羊の世話でした。毎朝、羊を牧場へ連れ出し、夕方には戻します。このとき初めて、羊の強情さを知りました。例えば、畑を見ると必ず入って行こうとするので、私は幾度となく農家の人たちに叱られました。また、暑さと疲れで木陰で休んでいると、羊たちは散り散りに繁みに入って、丘に向かって行きます。後を追いかけると、足が引っかき傷だらけになりました。羊が危険な目に遭わないようにするのは、本当に大変でした。羊泥棒が、さまよう羊を狙って襲うようなときは特にそうです。