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Lawrence Darmani

Lawrence Darmani

ローレンス・ダーマニ氏は、 ガーナ人作家です。 彼の処女作 「悲しみの子」は、 英連邦作家賞アフリカ部門にて新人賞を受賞しました。 ダーマニ氏は家族とともにガーナ ・ アクラに住んでおり、 Step Publishers の代表および編集者です。

寄稿一覧 Lawrence Darmani

疑念を乗り越える

約束の場所に向かうために電車に乗り込んで、ふと、この電車でよかったのかしらと思いました。その方面に行ったことはなく、事前に道順を尋ねていません。確信が持てず、とうとう次の駅で降りてしまいましたが、結局、正しかったのです。

苦しみの中の教訓

スクリーンの映像は大きく鮮明で、皮膚の裂けた深い傷がよく見えました。血だらけになった男を兵士がむち打ち、群衆はあざ笑います。それがあまりにもリアルなので、私は自分が痛いかのように、野外劇場の静寂の中で顔を歪めました。しかしこれは、苦しむイエスを再現する映画にすぎません。

香りと手紙

バラのそばを通ると、花に顔を近づけて香りを楽しまずにはいられません。甘い香りは私の心を元気づけ、前向きな気持ちにしてくれます。

先延ばしにしないで

救い主を受け入れてくださいと、何年も前に親戚の兄に勧めました。最近、彼が訪問してくれたので、私はもう一度同じことを言いました。すると即座に、「私はいずれイエスを信じたいし、教会にも行きたい。だけど今はダメだ。他の宗教が主流の地域に住んでいるのだから、別の場所に引っ越さないかぎり信仰生活は難しい」と答えました。彼は地域で迫害されたり、差別されたりすると言い、それが理由で決断ができませんでした。彼の恐れはもっともなことでした。

うまくいかない時

悪いことが起きたとき、「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています」(ロマ8:28)を引用する人がよくいます。これを渦中で信じるのは難しいことです。以前、3人の息子をたてつづけに亡くした人が、「この悲劇が私の益になどなるだろうか」と嘆くのを聞きました。私は何も言えず、ただ隣で共に悲しむだけでした。しかし数ヶ月後、彼は感謝を込めて、「私の悲しみは、私を神に近づけました」と言いました。

家族の特権

ガーナにいた小学生のとき、私は両親のもとを離れ、優しくて面倒見の良い家族に預けられていました。ある日、特別な家族会議に子どもたち全員が集められ、それぞれの体験を話しました。しかし次には、「血のつながった子どもたち」だけが残るように指示され、私は退出するように丁重に言われました。自分はこの家の子ではないという現実に直面しました。彼らがどれほど大切にしてくれても私は同居人にすぎず、法律上の家族ではないので、仲間に入れてもらえなかったのです。

自分をささげる心

ビジネスに成功したクリスチャンが、金持ちになった信仰者の葛藤について、「富は怖い!」と率直に語りました。

変えられた心

ガーナで1970年代初頭、「人の心」という題のポスターが、壁や告知板に掲示されました。そこにはふたつの絵があって、ひとつには下品で卑しいものを象徴する様々な爬虫類で満ちたハート形の上に、不機嫌そうな男性の顔が描かれており、もう一方には、清潔で晴れ渡ったハート形の上に、満ち足りた表情の男性の顔が描かれていました。そして、それらの下には、「あなたの心の状態はどうですか」と記されていました。

火の会話

私の出身地のガーナ北部では、12月から3月の乾期になると、よく山火事が起こります。炎に包まれた広い農地を見たことがありますが、その原因は、暖炉の火の不始末やタバコのポイ捨てです。乾燥した草原では、ほんの小さな炎が大火災を引き起こします。