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古き良き時代

私たちは時々、「古き良き時代」を懐かしく思い出します。しかし中には、過ぎた日の思い出は辛い記憶でしかないという人もいるでしょう。眠れぬ夜の闇の中、過去の失敗や失望、叶わなかった夢などがよみがえってきて、人生が自分にひどい仕打ちをしたのだと思い出してしまいます。

過去を思い出すときは、ダビデに倣ってみませんか。神の良くしてくださったことに思いを巡らし、じっくり考えるのがよいでしょう。ダビデは、「あなたのなさったすべてのことに思いを巡らし、あなたの御手のわざを静かに考えています」と述べています(詩篇143:5)。神の慈しみを思い出そうとするなら、ずっと以前から主の恵みを受けてきたことに気付きます。このような記憶は最良のものを育てます。さらに深く神を求めたり、今以上に神に取り扱っていただきたいと真摯に求める気持ちを呼び起こします。このようにして過去を思い出すなら、それは神を良く知り、神と深く交わる機会となるのです。

ある老婦人が、ロッキングチェアに座って両手を膝の上で組み、何時間も遠くを見つめていたそうです。ある日娘が尋ねました。「お母さん、静かに座って何を考えているの?」すると、彼女は目をきらりと輝かせて、静かに答えました。「それはね、イエスさまと私との秘密よ。」

私たちの思い出や黙想が、私たちを主のみもとに引き寄せてくれますように。私はそう祈ります。

目撃者の証

ザ・デイ・オブ・ディスカバリー(RBCミニストリーズ制作)が、テレビの伝記番組を作るとき、制作スタッフはその人をよく知る人に会って思いを語ってもらいます。そのインタビューは、スタッフにとって祝福です。この番組は長年にわたって続いているので、私たちは「炎のランナー」のモデルと言われるエリック・リデル師と中国の捕虜収容所で同室だった男性や、第二次大戦中にC.S.ルイス宅に下宿していた当時10代だった女性、また黒人奴隷の子として生まれながらも米国の農業に大きな業績を残したジョージ・ワシントン・カーバー博士がアメリカ南部を講演旅行した際の運転手などに会って、話を聞きました。この人たちはみな、それぞれの特別な思い出を生き生きと語ってくれました。

十二使徒のひとり、ヨハネは、晩年に書いた手紙の冒頭で、自分はイエスの共同生活者であり、イエスの生き方や御業の目撃者であると述べ、「このいのちが現れ、私たちはそれを見たので、そのあかしをし、あなたがたにこの永遠のいのちを伝えます。すなわち、御父とともにあって、私たちに現された永遠のいのちです」と記しています(Ⅰヨハ1:2)。また手紙の目的を「あなたがたも私たちと交わりを持つようになるためです。私たちの交わりとは、御父および御子イエス・キリストとの交わりです」(3節)、「私たちの喜びが全きものとなるためです」(4節)と記しました。

目撃者である使徒たちの証言は、私たちを信仰に導いてくれます。私たちは、彼らのように自分の目で見ていなくても、信じることができます。