ちょうど 良い時
指揮者は位置につくと、オーケストラと合唱団の面々を見渡しました。オーケストラの奏者は、それぞれの楽譜を譜面台に載せ、演奏しやすいように座り直して静かに待っています。合唱団の団員も、それぞれの楽譜を整えて歌いやすい姿勢で立ち、楽譜越しに指揮者の指示を待っています。指揮者は彼らの様子を見て全員の準備ができたことを確認し、指揮棒を振り下ろしました。すると大聖堂は、ヘンデルの「メサイヤ序曲」で満たされました。
常に準備を
帰省していた息子が、ある朝私の書斎に来て「何をしているの」と尋ねたので、「日曜学校の準備をしているんだ」と答えました。そのときふと、書斎にいるときはいつも何かの準備をしていることに気づきました。私は、神が福音のために私を用いてくださっていることを感謝していますが、常に他人のために準備を整えておかなければならないのは、それなりのストレスがあります。私には大学の授業や教会のメッセージ、さまざまな提出書類の準備があるので、優先順序を正しく整えるのは容易ではありません。
そんなこんなで、準備について聖書が何か語っていないだろうかと興味をそそられ、調べてみました。すると、私たちは「常に準備をしておくように」と命じられていました。神に心をささげた人とは、いつでも神に用いられるように準備している人のことです(Ⅰサム7:3)。私たちには、よいわざを行う準備(Ⅱ テモ2:21)や霊的な真理を攻撃から守る準備(Ⅰペテ3:15)が必要です。また使徒パウロは、計画を立てて献金する準備をしなさいと教えています(Ⅱ コリ9:5)。
これは始まりにすぎません。神に喜んでいただく人生とは、知性や霊性の準備を怠らず、肉体の健康にも配慮した生き方です。しかし、だからといってストレスを感じる必要はありません。なぜなら、神が御自身の力で、私たちを導いてくださるからです。
神に導かれて準備しましょう。そして、神に仕え、神をあがめ、人々にイエスを伝えていきましょう。
アドベントのテーマ
◆ エゼキエル書40-41
◆ Ⅱペテロ3
聖書の書巻はすべてつながっており、関係性を持っています。私は以前からそのことを信じていましたが、それでも、先月読んだペテロの手紙第一が、アドベントの4つのテーマすべてに触れていることに気づいたときは、今さらながら驚きました。アドベントは、キリストの再臨を意識しつつ、キリストの降誕を祝う準備をする期間です。神がキリストと共にくださった希望、平和、喜び、愛を強調する時です。
準備はできていますか
◆ 伝道者の書4-6
◆ Ⅱコリント12
―Ⅱペテロ3:9
多くの人は2008年秋のできごとを覚えているでしょう。それは、1929年に起こった世界大恐慌以来の経済危機の始まりでした。その後、多くの人は職を失い、家を失い、投資資産を失いました。一年後、アメリカ連邦準備理事会の元議長、アラン・グリーンスパン氏は英国放送協会(BBC)のインタビューに答えて、平均的な人は、あのような状況が再び起こることはないと思っている、と示唆しました。そして、「長い間、繁栄を謳歌していると、その状態がずっと続くと考えてしまうのが、人間の変えられない習性なのです」と語りました。
ロイヤル・ウェディング
◆ エズラ記1-2
◆ ヨハネ19:23-42
結婚式は、昔からずっと、贅沢をする機会でした。現代の結婚式は、若い女性が一日だけお姫さまになるという、子どもの頃からの夢を実現するチャンスになっています。優雅なドレス、お姫さま風の髪型、豪華なブーケ、素晴らしいごちそう、そして、家族や友人からの溢れんばかりの祝福が、夢物語の雰囲気をしっかりと盛り上げます。多くの親は、娘の夢を実現させるために、早くから貯金を始めて多額の費用を準備します。ましてロイヤル・ウェディングともなれば、その贅沢さは格別です。私たち「庶民」は、めったにお目にかかれない豪華さです。1981年、英国のチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式の様子が世界に放映されたとき、多くの人たちは、その豪華さの一端を垣間見ることができました。
この方は、どういう方なのか
◆ Ⅱサムエル記1-2
◆ ルカ14:1-24
祝福あれ。主の御名によって来られる王に。―ルカ19:38
やじ馬が、ほこりっぽい土道の両側にぎっしり立っているのを想像してください。あなたの後ろにいる女の人は、つま先立ちで向こうから来る人を見ようとしています。遠くの方に、ロバに乗った男性がちらりと見えます。その人が近づくと、人々は自分の上着を路上に放り投げます。突然、後ろの方で木が裂ける音がしました。ひとりの男性がしゅろの小枝を次々に切り落とし、人々はそれをロバの行く手に敷いていきました。
苦労と成果
◆ Ⅰサムエル記30-31
◆ ルカ13:23-35
悪者には心の痛みが多い。しかし、主に信頼する者には、恵みが、その人を取り囲む。―詩篇32:10
あるフットボールチームが夏期合宿をしたとき、コーチたちは選手を叱咤激励することばをプリントしたTシャツを着ていました。それは「毎日、どちらかを選ばなければならない。練習のつらさか、後悔の痛みか」というものです。訓練はつらいものです。さぼりたいと思うこともありますが、スポーツでも人生でも、つらくても短い期間頑張ることが、長い目で見れば成果を上げる唯一の道です。戦闘に巻き込まれてから準備をしても手遅れです。人は、人生の試練に対する準備が整っているか、それとも準備を怠って「もし、…たら、どうしよう」とか「…していればよかったのに」と、不安や後悔にさいなまれてばかりいるか、そのどちらかです。これが後悔の痛みというものです。
石
◆ ヨシュア記4-6
◆ ルカ1:1-20
あなたがたの子どもたちが……「これらの石はどういうものなのですか」と聞いたなら、あなたがたは、その子どもたちにこう言って教えなければならない。「イスラエルは、このヨルダン川のかわいた土の上を渡ったのだ。」 ―ヨシュア記4:21-22
つい最近のことですが、音楽の才能豊かな友人のケビンとイルザが、音楽愛好家の友人たちを自宅に招いて、焚き火を囲んだ即興演奏会を開きました。招待客たちは焚き火の周りに置く石を持参するように言われました。けれども、ただの石ではいけません。自分たちが友だちになった日や、その出来事などをその石に書き記して持ってくるように言われました。