ぎりぎりまで
アイダホ州クナの南部に、地元の人が嫌う地下溶岩洞があります。私の知るかぎり唯一の開口部は大きく開いた穴で、暗闇へ急降下しています。数年前、そのギリギリの縁に立って中を見下ろしました。すると、穴に引き込まれそうな感じになってバランスを失うところでした。あまりの恐ろしさに心臓がドキドキして、そこを離れました。
神のいつくしみ
ロジャーは災難つづきでした。心臓弁膜症を治療する開胸手術を受けましたが、1~2週間で合併症を起こして再手術となりました。リハビリを始めてようやく回復し始めた頃、自転車で転んで鎖骨を骨折しました。それだけではありません。彼はこの最中に母を亡くすという悲しみも味わったのです。ロジャーは失意のどん底でした。小さいことの中にでも、神を感じたことがありますかと尋ねられて、この時期、そんな風にはとても思えなかったと言いました。
平安を得るには
フィンランドの首都ヘルシンキのカンピ静寂の礼拝堂は、曲線を描いた木製の壁で街の騒音を遮断しています。訪れた人たちに平安を提供する空間になるようにと、設計者が考えました。ここは市街地にありながら、街の喧騒から逃れられる、ありがたい場所です。