マサチューセッツ州ボストンに「涙の海を渡る」という銘板がありますが、これは1845年から数年続いたアイルランドのジャガイモ飢饉の際に、勇敢に大西洋を渡った人たちを記念しています。この災害で100万人以上の人々が亡くなり、更に100万人以上の人々が故郷を捨て、海を渡りました。この状況をジョン・ボイル・オライリーが「涙の海」と詩的に名づけました。彼らは、飢餓と苦悩に追い立てられながら、必死に希望を求めたのです。

ダビデもまた、どれほど希望を求めたか、詩篇55篇で語ります。具体的なことは分かりませんが、彼は、重圧で心が打ちのめされるほどでした(4-5節)。思わず「ああ、私に鳩のように翼があったなら。そうしたら、飛び去って休むものを」と祈ったほどです (6節)。

私たちも困難な状況下で、ダビデのように、逃げたいと思うかもしれません。しかし、ダビデは悩んでも結局、苦しみから逃げ出すのではなく、神に走り寄ることを選び「私が、神に呼ばわると、主は私を救ってくださる」 (16節)と歌いました。

困難に見舞われたとき、全能の慰め主が、どんなに暗く恐ろしい瞬間もあなたを支え、切り抜けさせてくださることを忘れないでください。神はいつの日か、私たちの涙をすっかりぬぐい取ると約束してくださいます(黙21:4)。それを確信し、力を得て、私たちは今、大胆に、涙ながらに主を信頼していくことができます。