忠犬のビリーの優しさは、2020年、ネットで有名になりました。飼い主のラッセルが骨折して松葉杖を使い出して間もなく、ビリーも足を引きずるようになりました。獣医に診てもらっても異常はありません。実は元気なのですが、飼い主と一緒のときだけは足が悪いかのように歩くのです。人の痛みに寄り添おうとするとはこのことです。

人に寄り添うことは、使徒パウロがローマの教会に教えた最重要事項です。彼は十戒の最後の5つは「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい」(ロマ13:9)というみことばに要約されると述べました。また「だれに対しても、何の借りもあってはいけません。ただし、互いに愛し合うことは別です」(8節)という教えに、共に歩むことの重要性が示されています。

作家のジェニー・アルバースは語ります。「折れた心を直そうとしてはダメ。だって、できないから。傷ついた人の痛みを取ろうとしてもダメ。それも、できないから。そうではなく、痛みに耐えて歩む人を愛し、その人のかたわらを共に歩きましょう。それはできるから。人の必要は時として、独りぼっちではないと知ることなのです」

イエスは悲しみや痛みの中を私たちと共に歩んでくださいました。私たちは、その経験から、共に歩むことの大切さを知っています。