迷子犬のボビーは、飼い主が夏の休暇を過ごした時にはぐれてしまいました。家から3500キロ以上離れた土地です。一家は必死で探しましたが見つからず、傷心のうちに帰宅しました。

冬も終わりの6か月後、痩せてボサボサの毛をしたボビーが、オレゴン州シルバートンの家の玄関先に現れました。川を越え、砂漠を越え、雪山を越えて、愛する家族の元に帰ってきたのです。ボビーの冒険は、本になり、映画になり、地元では壁画となりました。

そのひたむきさが胸を打つのは、私たちの渇望に通じるからでしょう。神学者アウグスティヌスは、「神は人間をご自分のために造られたので、神に出会うまで人は安らげない」と語りました。この切々たる思いを雄弁に語っているのはダビデです。ユダの荒野で、命を狙う者から身を隠しているとき、こう祈りました。「神よ あなたは私の神。私はあなたを切に求めます。水のない 衰え果てた乾いた地で 私のたましいはあなたに渇き 私の身も あなたをあえぎ求めます」(詩63:1)

ダビデは「あなたの恵みは いのちにもまさる」(3節)と神をたたえました。神を知る以上のことはありません。私たちがどんなに遠くにいても、神は私たちを捜し出します。神は、私たちが神の完全な愛に帰る道を、イエスを通して備えてくださいました。神に立ち戻るなら、私たちは真の心の故郷を見つけます。