私たち夫婦は10年間、不妊に悩んだ後、新天地で心機一転を図ることにしました。胸が躍る一方で、大好きなラジオの仕事は続けられませんでした。友人のリアムに「天職が何なのか、もう分からない」と打ち明けると、「ここで放送の仕事は?」と質問されました。していないと答えると「結婚生活はどう?」と尋ねられました。急な話題の転換に驚きながらも「うまくいっている。二人して辛い道を通ったけれども、この試練で夫婦の絆が深まった」と答えました。彼は笑顔で「絆は福音の核心だよ。世の中には君たちのように互いに誠実な夫婦が必要だ。何をするかではなく、どう生きるかで、十分に大きな影響を与えているよ」と言いました。

使徒パウロは、教会運営に行き詰まり落胆していたテモテに助言しましたが、その内容は、教会成長の目標設定ではありませんでした。むしろ、敬虔(けいけん)に生きて、「ことば、態度、愛、信仰、純潔において信者の模範」(Ⅰテモ4:12-13,15)となることでした。真摯(しんし)な生き方が最善の影響力になります。

人は仕事の成功で評価されがちですが、最も大切なことは、その人の品性です。うそのない言動、親切、真実な夫婦関係さえもが、世の中を変える原動力になるでしょう。神がそれらを通して世界に触れてくださるのですから。