強者と弱者
ステッドファミリー小児病院の最上階の部屋は、床から天井までガラス張りで、隣にあるキニックスタジアムが一望できます。アイオワ大学アメフトチームが試合をするときには、心温まる行事があります。第1クオーターが終わると、その部屋から見学している入院中の子どもやその家族に向かって、コーチ、選手、観客が手を振るのです。その瞬間、子どもたちの目が輝きます。多くの人が自分たちのことを気にかけていると知って、彼らは元気をもらうのです。
同じ国の民
新型コロナウィルス感染症対策のために、パメラの葬儀の列席者は30名に制限されました。けれども、オンライン配信のおかげで多くの人が世界各地から参列できました。アフリカのマラウィにいる遺族をはじめ皆が、活発で思いやりとユーモアにあふれるパメラのことを神に感謝している様子が、画面を通して伝わってきました。
パメラと私は、ロンドン北部にある教会に通っていました。その教会には、外国人の礼拝者が多数いて、私たちもその一人です。神の家族は、天の父の子という共通点によって、人種や民族の壁を超えることができます。神がキリストにおいて私たちをひとつにしてくださるからです。
使徒パウロは、エペソの教会にあてた手紙の中で、神の家族の絆について力説しました。ユダヤ人と異邦人の信者の間に分断があることを憂慮し、「あなたがたは、もはや外国人でも寄留者でもなく、聖徒たちと同じ国の民であり、神の家族なのです。使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられていて、キリスト・イエスがその要の石です」(エペソ2:19-20)と述べました。パウロは、神の民が結ばれて家族となり、「ともに築き上げられ、御霊によって神の御住まいとなる」(22節)ことを知っていました。
神は、どんな違いがあっても私たちをひとつにしてくださいます。イエスを信じる者同士は、その神に期待することができます。神は御霊によって、ただ物事を丸く収めるだけでなく、深い溝を埋められるように助けてくださいます。私たちを結びつけるのは、父と子と聖霊の神です。このお方は、私たちを隔てるどんなものよりも大きなお方です。
イエスを信じる者は天の父の子であると聖書は教えます。この現実は、自己認識、神との関係、人とのつながりの形成にどのように作用しているでしょうか。
【このテーマは今月の以下のエッセーでも取り上げています。】
1日 幼子の信仰
8日 違っても一つ
15日 私の兄イエス
22日 神の永遠の教会
8月の祈りの課題
【祈りの課題更新】祈りによって支えてくださり感謝します。みことばの真理がさらに多くの方々に届くように、共にお祈りください。
幼子の信仰
私たちが「おばあちゃん」と慕っている86歳の女性が脳卒中で入院しました。言葉らしきものを話しても、その意味は理解不能でした。担当医は少し回復しなければ脳機能検査ができないと言います。しかし、彼女は私の顔を見ると、渇いた口を開いて「ケイラは元気?」と尋ねました。ケイラは私の娘で、12年間、彼女に在宅保育されていました。精一杯の愛情で世話してきたケイラのことを、まず尋ねたのです。