世界は金融政策の失敗によって、1929年、そして2008年にも恐慌に陥りましたが、そのような失敗を繰り返さないようにと、スコットランドのエディンバラに「過ちの図書館」が設立されました。蔵書は2千冊以上に上り、次世代の経済学者の教育に役立てられています。学芸員によれば、「賢い人々がいかに愚かなことをし続けるか」を実例で学ぶことができるそうです。彼らは強固な経済を築く唯一の方法は、過去の過ちから学ぶことだと信じています。

使徒パウロが伝えたことも同様です。彼はコリントの教会の人々に対して、誘惑に負けずに真摯(しんし)に信仰を貫く唯一の方法は、神の民と呼ばれた人々が過去に犯した過ちから学ぶことだと教えました。彼らが救われた特権にうぬぼれないように、使徒パウロは古代イスラエルの民の失敗を例に挙げ、そこから学ぶように諭しました。先祖たちは偶像を礼拝し、みだらな行いをし、神のご計画や目的に対して不平を言い、神の指導者たちに反抗しました。彼らは己の罪によって神に懲らしめられたのです(Ⅰコリ10:7-10)。パウロは旧約聖書の史実を取り上げて、教会の人たちに同じ間違いをしないように戒めました(11節)。

神に助けていただいて自身や他人の過ちから学び、神に従い歩みましょう。