出エジプト記 29:1-30:38
祭司聖別の儀式
1わたしに仕える祭司として、彼らを聖別するためにすべき儀式は、次のとおりである。若い雄牛一頭と傷のない雄の小羊二匹を取る。 2次に、酵母を入れないパン、酵母を使わずに、オリーブ油を混ぜて焼いた小麦粉の輪形のパン、オリーブ油を塗った、酵母を入れない薄焼きパンを、みな上等の小麦粉で作る。 3それをみな一つの籠に入れ、一頭の雄牛、二匹の雄羊と共にささげる。 4次に、アロンとその子らを臨在の幕屋の入り口に進ませ、彼らを水で清める。 5次いで、式服一そろいを取り、アロンに長い服、エフォドと共に着る上着、エフォド、胸当てを着せ、エフォドの付け帯で締める。 6それから、彼の頭にターバンを巻き、その上に聖別のしるしの額当てを付ける。 7次いで、聖別の油を取り、彼の頭に注ぎかけて、聖別する。 8次に、アロンの子らを前に進ませ、彼らに長い服を着せ、 9飾り帯を締め、ターバンを巻く。彼らの祭司職はこうして、不変の定めにより、彼らのものとなる。
次に、アロンとその子らの任職式を行う。 10まず、雄牛を臨在の幕屋の前に引いて来る。アロンとその子らは手を雄牛の頭に置く。 11あなたはそれを主の御前、臨在の幕屋の入り口で屠る。 12次いで雄牛の血を器に取り、その一部を指で祭壇の四隅の角に塗り、血は全部祭壇の基に流す。 13次に、内臓を覆っているすべての脂肪と肝臓の尾状葉と二つの腎臓とそれに付着する脂肪を取って、祭壇で燃やして煙にする。 14雄牛の肉と皮と胃の中身は宿営の外で焼き捨てる。これが贖罪の献げ物である。
15また、雄羊一匹を取り、アロンとその子らが手を羊の頭に置く。 16あなたはそれを屠り、血を取って祭壇の四つの側面に注ぎかける。 17また、その雄羊を各部に分割し、内臓と四肢を水で洗い、分割した各部と頭と共に、 18その雄羊全部を祭壇で燃やして煙にする。これは主にささげる焼き尽くす献げ物であり、主に燃やしてささげる宥めの香りである。
19次いで、もう一匹の雄羊を取り、アロンとその子らが手を羊の頭に置く。 20あなたはそれを屠り、血を取ってその一部をアロンとその子らの右の耳たぶと右手の親指と右足の親指とに付け、血を祭壇の四つの側面に注ぎかける。 21また、祭壇の上の血の一部を取り、更に聖別の油の一部を取って、アロンとその衣服、更にアロンの子らとその衣服に振りまく。そうすれば、彼自身も衣服も、また彼の子ら自身も衣服も、聖なるものとなる。 22次に、雄羊から脂肪と脂尾と内臓を覆う脂肪、肝臓の尾状葉と二つの腎臓とそれに付着する脂肪と右後ろ肢を切り取る。これは任職の雄羊だからである。 23また、一塊のパン、オリーブ油を混ぜて焼いた輪形のパン一個、薄焼きパン一個を、主の御前に供えた酵母を入れないパンの籠から取る。 24あなたはこれらをすべてアロンとその子らの手に載せ、奉納物として主の御前にささげさせる。 25次いで、彼らの手からそれらを受け取って、祭壇の上の焼き尽くす献げ物の傍らに置いて煙にし、主を宥める香りとする。これが燃やして主にささげる献げ物である。
26次に、あなたはアロンの任職の雄羊の胸の肉を取り、奉納物として主の御前にささげる。それはあなたが受けるべき分である。 27あなたは、アロンとその子らの任職のための雄羊の献げ物のうちから、奉納物の胸の肉と礼物の右後ろ肢とを聖別しなさい。 28それは、不変の定めにより、イスラエルの人々からささげられた物のうちアロンとその子らの分となるべきものである。なぜなら、それは礼物だからである。それはイスラエルの人々が主に対する献納物として、和解の献げ物のうちからささげる物である。
29アロンの祭服は、彼の後を継ぐ子らが聖別の油を注がれ、祭司職に任命されたならば、彼らのものとなる。 30アロンの子らのうち、彼の後を継いで祭司となり、臨在の幕屋に入って聖所で仕える者が、その祭服を七日の間、着用する。
31あなたは任職の雄羊を取り、その肉を聖なる場所で煮て料理する。 32アロンとその子らは、その肉と籠に入れてあるパンを臨在の幕屋の入り口で食べる。 33彼らは、自分たちの任職と聖別の儀式に際して、罪の贖いとして用いられた献げ物を食べる。それは聖なるものであるから、一般の人は食べてはならない。 34もし、この任職の献げ物の肉やパンが翌朝まで残ったならば、焼き捨てる。それは聖なるものであるから、だれも食べてはならない。
35あなたはわたしが命じたとおり、アロンとその子らのために七日の間任職式を行いなさい。 36罪の贖いのために毎日、贖罪の献げ物の雄牛をささげ、祭壇のために罪の贖いの儀式を行って、それを清め、またそれに油を注いで聖別しなさい。 37七日の間、祭壇のために罪の贖いの儀式を行って、聖別すれば、祭壇は神聖なものとなる。祭壇に触れるものはすべて、聖なるものとなる。
日ごとの献げ物
38祭壇にささげるべき物は次のとおりである。毎日絶やすことなく一歳の雄羊二匹を、 39朝に一匹、夕暮れに他の一匹をささげる。 40そして、朝ささげる雄羊には四分の一ヒンのオリーブを砕いて取った油を混ぜた十分の一エファの小麦粉と、四分の一ヒンのぶどう酒の献げ物を加える。 41また、朝と同じく夕暮れにも、雄羊に穀物の献げ物とぶどう酒の献げ物を加え、燃やして主にささげる宥めの香りとする。 42これは代々にわたって、臨在の幕屋の入り口で主の御前にささぐべき日ごとの焼き尽くす献げ物である。わたしはその場所で、あなたたちと会い、あなたに語りかける。 43わたしはその所でイスラエルの人々に会う。そこは、わたしの栄光によって聖別される。 44わたしは臨在の幕屋と祭壇を聖別し、またアロンとその子らをわたしに仕える祭司として聖別する。 45また、わたしはイスラエルの人々のただ中に宿り、彼らの神となる。 46彼らは、わたしが彼らの神、主であることを、すなわち彼らのただ中に宿るために、わたしが彼らをエジプトの国から導き出したものであることを知る。わたしは彼らの神、主である。
香をたく祭壇
1アカシヤ材で香をたく祭壇を造りなさい。 2寸法は縦一アンマ、横一アンマの正方形に、高さ二アンマとする。そして、四隅に角を祭壇から生えるように作る。 3祭壇の上の面と四つの側面と角を純金で覆い、側面に金の飾り縁を作る。 4二個の金環を作り、それを金の飾り縁の下の両側に相対するように取り付け、担ぐための棒を差し入れる環とする。 5この棒もアカシヤ材で作り、金で覆う。 6それを掟の箱を隔てる垂れ幕の手前に置く。この掟の箱の上の贖いの座の前でわたしはあなたと会う。 7アロンはその祭壇で香草の香をたく。すなわち、毎朝ともし火を整えるとき、 8また夕暮れに、ともし火をともすときに、香をたき、代々にわたって主の御前に香りの献げ物を絶やさぬようにする。 9あなたたちはその上で規定に反した香や焼き尽くす献げ物、穀物の献げ物、ぶどう酒の献げ物などをささげてはならない。 10アロンは年に一度、この香をたく祭壇の四隅の角に贖罪の献げ物の血を塗って、罪の贖いの儀式を行う。代々にわたって、年に一度、その所で罪の贖いの儀式を行う。この祭壇は主にとって神聖なものである。
命の代償
11主はモーセに仰せになった。
12あなたがイスラエルの人々の人口を調査して、彼らを登録させるとき、登録に際して、各自は命の代償を主に支払わねばならない。登録することによって彼らに災いがふりかからぬためである。 13登録が済んだ者はすべて、聖所のシェケルで銀半シェケルを主への献納物として支払う。一シェケルは二十ゲラに当たる。 14登録を済ませた二十歳以上の男子は、主への献納物としてこれを支払う。 15あなたたちの命を贖うために主への献納物として支払う銀は半シェケルである。豊かな者がそれ以上支払うことも、貧しい者がそれ以下支払うことも禁じる。 16あなたがイスラエルの人々から集めた命の代償金は臨在の幕屋のために用いる。それは、イスラエルの人々が主の御前で覚えられるために、あなたたちの命を贖うためである。
手足を清める
17主はモーセに仰せになった。
18洗い清めるために、青銅の洗盤とその台を作り、臨在の幕屋と祭壇の間に置き、水を入れなさい。 19アロンとその子らは、その水で手足を洗い清める。 20すなわち、臨在の幕屋に入る際に、水で洗い清める。死を招くことのないためである。また、主に燃やしてささげる献げ物を煙にする奉仕のために祭壇に近づくときにも、 21手足を洗い清める。死を招くことのないためである。これは彼らにとっても、子孫にとっても、代々にわたって守るべき不変の定めである。
聖別の油
22主はモーセに仰せになった。
23上質の香料を取りなさい。すなわち、ミルラの樹脂五百シェケル、シナモンをその半量の二百五十シェケル、匂い菖蒲二百五十シェケル、 24桂皮を聖所のシェケルで五百シェケル、オリーブ油一ヒンである。 25あなたはこれらを材料にして聖なる聖別の油を作る。すなわち、香料師の混ぜ合わせ方に従って聖なる聖別の油を作る。 26それを以下のものに注ぐ。すなわち、臨在の幕屋、掟の箱、 27机とそのすべての祭具、燭台とその祭具、香をたく祭壇、 28焼き尽くす献げ物の祭壇とそのすべての祭具、洗盤とその台。 29あなたがこれらを聖別すると、神聖なものとなる。それに触れたものは、みな聖なるものとなる。 30アロンとその子らにこの油を注いで、彼らを聖別し、祭司としてわたしに仕えさせなさい。
31イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。
聖なる聖別の油は、代々にわたってわたしのために使うべきものである。 32一般の人の体に注いだり、同じ割合のものを作ってはならない。それは聖なるものであるから、聖なるものとして扱いなさい。 33類似したものを混ぜ合わせて、一般の人に塗る者は、その民から断たれる。
香料
34主はモーセに言われた。
以下の香料、すなわち、ナタフ香、シェヘレト香、ヘルベナ香、これらの香料と純粋な乳香をそれぞれ同量取り、 35香を作りなさい。すなわち、香料師の混ぜ合わせ方に従ってよく混ぜ合わせた、純粋な、聖なる香を作る。 36その一部を細かく砕いて粉末にし、粉末の一部を、臨在の幕屋の中の掟の箱の前に置く。わたしはそこであなたに会う。これはあなたたちにとって神聖なものである。 37同じ割合で作った香を私用に使ってはならない。あなたは、それを主に対して聖なるものとしなければならない。 38また、類似したものを作って、香りを楽しもうとする者は、すべてその民から断たれる。