歴代誌下 25:1-27:9
ユダの王アマツヤ
1アマツヤは二十五歳で王となり、二十九年間エルサレムで王位にあった。その母は名をヨアダンといい、エルサレムの出身であった。 2彼は主の目にかなう正しいことを行ったが、心からそうしたのではなかった。 3彼は国を掌握すると、父ヨアシュ王を殺害した家臣たちを殺した。 4しかし、モーセの書、律法に記されているところに従い、その子供たちは殺さなかった。主がこう命じておられるからである。「父は子のゆえに死に定められず、子は父のゆえに死に定められない。人は、それぞれ自分の罪のゆえに死に定められる。」
5アマツヤはユダの人々を召集し、ユダ族とベニヤミン族のすべての人々を家系に従って千人隊の長および百人隊の長のもとに配属した。二十歳以上の者の数を調べたところ、槍と盾を携える戦闘員として三十万の若者がいることが分かった。 6また彼は銀百キカルを費やして、イスラエルから勇士十万を雇った。 7ところが、ある神の人が来て言った。「王よ、イスラエルの軍隊を同行させてはなりません。主はイスラエルの者、すなわちどのエフライム人とも共においでにならないからです。 8もし行くなら、単独で行って勇敢に戦いなさい。そうでなければ、神は敵の前であなたを挫かれます。神には力があって、助けることも、挫くこともおできになります。」 9アマツヤは神の人に言った。「イスラエルの部隊に払った百キカルはどうしたらよいのか。」神の人は答えた。「主はそれより多くのものを与えることがおできになります。」 10そこでアマツヤはエフライムから来た部隊を、彼らの地に帰らせるために分離した。そのため、彼らはユダに対して激しく憤り、怒りに燃えながら彼らの地に帰って行った。
11しかしアマツヤは、勇気を奮い起こし、自分の軍隊を率いて塩の谷まで進み、一万のセイル兵を打ち倒した。 12またユダの兵はほかに一万の敵兵を生け捕りにし、岩山の頂に引いて行き、彼らをその岩山の頂から突き落としたので、皆砕かれて死んだ。 13他方、アマツヤが戦いに同行させずに送り返した部隊の兵士らは、サマリアからベト・ホロンまでのユダの町々を荒らしまわり、三千人の住民を打ち殺し、略奪をほしいままにした。
14アマツヤはエドム人の討伐から帰った後、セイル人の神々を導入し、これを自分の神とし、その前にひれ伏して香をたいた。 15主はそのアマツヤに対して怒りに燃え、預言者を遣わされた。彼は王に言った。「あなたの手から自分の民を救えなかった神々を、どうしてあなたは求めるのか。」 16彼がこう告げているときに、アマツヤは言った。「お前を王の顧問にした覚えはない。もうよい。打ち殺されてもよいのか。」預言者は語るのをやめたが、こう付け加えた。
「あなたはこのような事を行い、またわたしの忠告も聞かない。それゆえ神はあなたを滅ぼそうと決められたことが、分かりました。」
17ユダの王アマツヤは、協議の結果、イスラエルの王、イエフの孫でヨアハズの子であるヨアシュに使者を遣わし、「来るがよい、戦いを交えよう」と言わせた。 18だが、イスラエルの王ヨアシュは、ユダの王アマツヤに次のような返事を送った。「レバノンのあざみがレバノンの杉に、『あなたの娘をわたしの息子の嫁にくれ』と申し込んだが、レバノンの野の獣が通りかかって、あざみを踏み倒してしまった。 19あなたはエドムを打ち破ったと言って、思い上がり、うぬぼれている。今は家にとどまっているがよい。なぜ挑発して災いを招き、あなただけでなく、ユダも一緒に倒れるようなことをするのか。」 20しかしアマツヤはこれを聞き入れなかった。それは神の計らいによる。ユダの人々がエドムの神々を求めたため、神は彼らを敵の手に渡そうとされたのである。 21イスラエルの王ヨアシュは上って来て、ユダのベト・シェメシュでユダの王アマツヤと戦いを交えた。 22その結果、ユダはイスラエルに惨敗し、兵はおのおのその天幕に逃げ帰ってしまった。 23イスラエルの王ヨアシュはベト・シェメシュで、ヨアハズの孫でヨアシュの子であるユダの王アマツヤを捕らえ、エルサレムに引いて来て、その城壁をエフライムの門から角の門まで四百アンマにわたって破壊した。 24また彼は、オベド・エドムの管理下にあった、神殿のすべての金、銀、祭具、更に王宮の宝物および人質を取って、サマリアに凱旋した。
25ユダの王、ヨアシュの子アマツヤは、イスラエルの王、ヨアハズの子ヨアシュの死後、なお十五年生き永らえた。 26アマツヤの他の事績は、初期のことも後期のことも、『ユダとイスラエルの列王の書』に記されている。 27アマツヤが主に背を向けた時から、彼に対する謀反がエルサレムで企てられたため、彼はラキシュに逃れたが、ラキシュに送られた追っ手によって殺された。 28その遺体は馬に乗せて運ばれ、ユダの町に先祖と共に葬られた。
ユダの王ウジヤ
1ユダのすべての民は、当時十六歳であったウジヤを選び、父アマツヤの代わりに王とした。 2アマツヤが先祖と共に眠りについた後、彼はエイラトの町を再建して、ユダに復帰させた。 3ウジヤは十六歳で王となり、五十二年間エルサレムで王位にあった。その母は名をエコルヤといい、エルサレムの出身であった。 4彼は、父アマツヤが行ったように、主の目にかなう正しいことをことごとく行った。 5神を畏れ敬うことを諭したゼカルヤが生きている間は、彼も主を求めるように努めた。彼が主を求めている間、神は彼を繁栄させられた。 6彼は出て行ってペリシテ人と戦い、ガトの城壁、ヤブネの城壁、アシュドドの城壁を破壊し、アシュドドをはじめペリシテ人の地方に幾つかの町を建てた。 7神は彼を助け、ペリシテ人のみならずグル・バアルに住むアラブ人やメウニム人にも立ち向かわせられた。 8アンモン人もウジヤに貢ぎ物を献上した。ウジヤの勢いはこの上もなく増大し、その名声はエジプトに近い地方にまで届いた。 9ウジヤはエルサレムの角の門、谷の門、城壁の角に塔を築き、補強した。 10彼はまた荒れ野にも多くの塔を築き、井戸を掘った。シェフェラや平地には多数の家畜が飼われ、山地や肥沃な地には農夫やぶどう作りがいた。ウジヤが農耕を愛したからである。
11ウジヤは戦いに備えて訓練された軍隊を持っていた。それは書記官エイエル、官吏マアセヤによる名簿に従って部隊に配属され、王の高官ハナンヤの指揮下に置かれていた。 12勇士である家長の総数は二千六百人、 13その配下に、戦いに強い三十万七千五百人の軍隊があり、王の助けとなって敵に立ち向かった。 14ウジヤは全軍のために盾、槍、兜、鎧、弓、投石用の石を準備した。 15彼はまたエルサレムで技術者により考案された装置を造り、塔や城壁の角の上に置いて、矢や大きな石を放てるようにした。ウジヤは、神の驚くべき助けを得て勢力ある者となり、その名声は遠くにまで及んだ。
16ところが、彼は勢力を増すとともに思い上がって堕落し、自分の神、主に背いた。彼は主の神殿に入り、香の祭壇の上で香をたこうとした。 17祭司アザルヤは主の勇敢な祭司八十人と共に後から入り、 18ウジヤ王の前に立ちはだかって言った。「ウジヤよ、あなたは主に香をたくことができない。香をたくのは聖別されたアロンの子孫、祭司である。この聖所から出て行きなさい。あなたは主に背いたのだ。主なる神からそのような栄誉を受ける資格はあなたにはない。」 19香をたこうとして香炉を手にしていたウジヤは怒り始めたが、祭司たちに怒りをぶつけている間に重い皮膚病がその額に現れた。それは主の神殿の中にいた祭司たちの目の前、香の祭壇の前の出来事だった。 20祭司長アザルヤと祭司たちは皆彼の方を向いて、その額に重い皮膚病ができているのを認め、直ちに去らせた。彼自身も急いで出て行った。主が彼を打たれたからである。 21ウジヤ王は死ぬ日までその重い皮膚病に悩まされ、重い皮膚病のために隔離された家に住んだ。主の神殿に近づくことを禁じられたからである。その子ヨタムが王宮を取りしきり、国の民を治めた。
22ウジヤの他の事績は、初期のことも後期のことも、預言者、アモツの子イザヤが書き残している。 23ウジヤは先祖と共に眠りにつき、その遺体は、重い皮膚病に冒されていたということで、王の墓の近くの野に先祖と共に葬られた。その子ヨタムがウジヤに代わって王となった。
ユダの王ヨタム
1ヨタムは二十五歳で王となり、十六年間エルサレムで王位にあった。その母は名をエルシャといい、ツァドクの娘であった。 2彼は、父ウジヤが行ったように、主の目にかなう正しいことをことごとく行った。ただ主の神殿に入ることだけはしなかった。民は依然として堕落していた。 3彼は主の神殿の上の門を建て、オフェルの城壁に多くの工事を施し、 4ユダの山地に町を築き、森の中に城砦や塔を築いた。 5彼はアンモン人の王と戦ってこれを征服した。その年アンモン人は銀百キカル、小麦一万コル、大麦一万コルを献上してきた。アンモン人は二年目も、三年目もそうした。 6ヨタムは主なる神の御前をたゆまず歩き続けたので、勢力を増すことができた。
7ヨタムの他の事績は、そのすべての戦いも、行動も、『イスラエルとユダの列王の書』に記されている。 8彼は二十五歳で王となり、十六年間エルサレムで王位にあった。 9ヨタムは先祖と共に眠りにつき、ダビデの町に葬られた。その子アハズがヨタムに代わって王となった。