私たちはワトキンス・グレン渓谷で山歩きをしました。途中、60メートルの断崖や滝の数々に畏怖を感じ感動したり、濡れた岩や延々と続く登り坂に足が痛んで、一服したりしました。頂上に近づいた時、下山中のハイカーが「832段の階段もあと10段ですよ」と教えてくれましたが、登り始める前に段数を知らなくてよかったのかもしれません。もし知っていたらこの先大変だと登頂をあきらめて、美しい光景を見られなかったかもしれません。

人生という旅にも困難がつきものです。イエスもパウロもキリスト者に対する苦難や迫害を警告しました(ヨハ16:33、Ⅱテモ3:12)。克服するには使徒ヤコブのような視点が必要です。彼は「試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい」(ヤコ1:2)と言いました。なぜ試練が喜びなのでしょう。それは、神は「信仰が試されることで忍耐が生じる」と知っておられるからです(3節)。そこには試練を通して「完全で申し分なく、何一つ欠けたところのない人」(4節)になるという目的があります。

大変な中にあっても、少し立ち止まって、自分や周りの人の心を見つめると、神が美しく強い心を築いておられると気付くでしょう。そして「神を愛する人々に約束された命の冠をいただく」(12節)という真理に納得するようになります。さあ! 共に登り続けましょう。