子どもの頃、海賊の物語が好きでした。彼らの冒険に想像力を大いにかき立てられました。私は今、悪名高い海賊「黒ひげ」(本名エドワード・ティーチ)の本拠地があった地域に住んでいます。彼の有名な旗艦「アン女王の復讐(ふくしゅう)号」は、この沖合で座礁しました。

大海原の冒険や難破船の物語は美化されがちです。しかし、使徒パウロは「破船」(Ⅰテモ1:19新改訳2017)という比喩を使って弟子テモテに警告し、「信仰と正しい良心とを持」ち続けるように激励しました。

「ある人々は正しい良心を捨て、その信仰は挫折して」(Ⅰテモ1:19)という一節で「挫折」と訳された単語が「難破」です。ヒメナイとアレクサンドロは、衝撃的な形で信仰を捨てました。パウロは、神を冒瀆(ぼうとく)してはならないことを学ばせるために、彼らをサタンに引き渡したといいます(20節)。彼らの結末は悲惨な「難破」でした。

信仰は何にも影響を受けないものでも、一地点に止まっているものでもありません。この世界で前進していくものです。私たちは、信仰と良心において力強く健全に成長するために、自分と神との関係を積極的に養い育てなければなりません。心あるキリスト者の一人となって、神の御霊に自分を明け渡し、自在に働いていただきましょう。そうすれば「破船」を回避できます。