若い頃、聖歌604番「望みも消え行くまでに」が大好きでした。「望みも消え行くまでに 世の嵐に悩むとき 数えてみよ主の恵み なが心はやすきを得ん」結婚後、落ち込んだ夫に頼まれてこの歌を歌ったことが何度もあります。そういう時は、彼に注がれている恵みを一つずつ一緒に数えました。すると、彼は意識の中心を、自分の問題や自分の能力に対する不信ではなく、神と神に感謝すべきもろもろのことにシフトすることができました。
エズラ記は、神の民が、神の力や支え、導きを頼りに、困難な状況に立ち向かって使命を果たす様子を描いています。ユダヤ人たちは、バビロンで長年、捕囚でしたが、キュロス王に神殿の再建を許可され、エルサレムに戻りました(エズ1-2章)。しかし、帰還したのはごく一部の人(2:64)。彼らは「その地の住民に恐れを抱き」つつも(3:3)、世紀の大事業を前に覚悟を固め、祭壇を再建し、神殿の土台を築きました(10節)。そして「『主は恵み深く、イスラエルに対する慈しみはとこしえに』と唱和して、主を賛美し、感謝」しました。「主の神殿の基礎が据えられたので、民も皆、主を賛美し大きな叫び声をあげた」のです(3:11)。
もし落胆していたり、高く分厚い壁にぶち当たっていたりするなら、神に心を向けましょう。主の恵みを思い返して数えるならば、主の御業の数々に驚くでしょう。主の御業は、主を愛する人のために、今後も続いていきます。
過去に受けた恵みを数えることは、苦難の中で、どのように役立ちますか。今、何に感謝していますか。