ナポレオン・ヒルは、1937年の著書、『思考は現実化する』で、「自分で着想を得て、自分を信じたなら、全て実現できる」と述べています。この言葉は「アメリカン・ドリーム」の象徴です。全力で働けば野望は必ず実現できる、と。

勤勉は有益です。箴言や聖書の多くの言葉もそれを否定しません。しかし、歳を重ねるにつれ、ヒルの考えの危険性も感じています。夢の実現のために貪欲に挑み続けることは、神を考慮に入れない可能性をはらむからです。

使徒パウロは「霊の導きに従って歩みなさい。そうすれば、決して肉の欲望を満足させるようなことはありません」(ガラ5:16)と述べています。これを次のように解釈した聖書学者がいます。「神の霊に駆り立てられ、動機づけられて、自由に生きれば、利己的な衝動を刺激しようとは思わないでしょう」。パウロは、キリスト者の人生の実について、「霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です」(22-23節)と述べています。

自分の手で夢をつかみ取る、という言葉は、私たちを駆り立てます。しかし、本当のあこがれは、つかみ取れではなく、受け取れ、です。自分がイメージする祝福をつかもうと、必死でもがくのではなく、執着から解放され、聖霊と共に自由に歩んで恵みを受け取る人生です。