好きな本の一つが、だまし絵の本です。例えば、2本の同じ長さの線が異なる長さに見える絵や、四つの階段がつながっているように見える「不可能階段」などの巧妙さにいつも驚かされます。一方、自分たちは必ずしもありのままを見ているわけではないと分かって、少々複雑な気持ちにもなります。

しかし、だまされるのは視覚だけではありません。「神の子ども」という自己認識が、世にはびこる絶え間ない欺瞞(ぎまん)によって、歪んでしまうことがあります。作家ヘンリ・ナウエンは、次のように書いています。「イエスは、成功、人の歓心、権力に基づいた自己は、偽りの自己であり、幻想だと伝えるために、この世に来てくださいました」(「いま、ここに生きる」P203)

私たちは、「神の子」です(Ⅰヨハ3:1)。それは、神の大きな愛とイエスの救いを受け取ることで確立します。しかしながら、私たちは「心に責められる」(20節)ことがあると、神の愛や自分の属性を疑ったりしがちで、使徒ヨハネもその傾向を認めています。けれどもだまされてはいけません。私たちは、神の愛する子どもです。「神は、わたしたちの心よりも大きく、すべてをご存じ」(20節)なのです。

世の中が何と言おうと、それは幻想です。自分は神の愛する子だ、という真理に留まりましょう。