寄稿者

すべて見る

寄稿一覧 Kimya Loder (ゲスト寄稿者)

静まれ

アイソレーション・タンクは不安やストレスを軽減する目的で心理療法に用いられると読んだことがありました。その中に座ると、身体が水の上に心地よく浮かび、室内が暗くなってソフトなBGMが止みました。こんな体験は初めてです。世界の混沌(こんとん)が収まったかのようで、自分を取り戻したように感じました。不安が消え、元気が回復しました。静寂には力があるとあらためて認識しました。

優先事項

スタンフォード大学の研究チームは、2009年、200人以上の学生を対象に、作業と記憶の実験を行いました。すると驚いたことに、一つずつ作業をこなすことを好む学生の成績が、複数の作業を並行して行うことが得意だという学生より良かったのです。複数の作業を同時にすると注意が散漫になり、不必要な情報の排除を困難にしたようです。気が散って集中できなかったわけです。

声を上げる

力ある演説家の多くは、社会改革のために言論を用いた指導者でした。例えば、フレデリック・ダグラスです。自由と奴隷制度廃止を求める彼の演説は、アメリカの公民権運動を推し進め、やがてこの制度は撤廃されました。もし、彼が黙っていたなら、世界の歴史は違っていたかもしれません。私たちも皆、声を持っています。声を上げるなら、人を助けたり、正しい方向に周りを奮い立たせたりすることができるかもしれませんが、出る杭(くい)は打たれると思うと足がすくんでしまいます。しかし、そんなときこそ、勇気と知恵の源である神に助けていただきましょう。

思い切った決断

カリブ海のセントルシア島の熱帯雨林の中でジップラインを体験しました。滑車にぶら下がり、空中に張ったロープを高速で移動するのです。飛び出す直前、怖くなりました。不慮の事態が次々と脳裏をよぎります。しかし、渾身(こんしん)の勇気を振り絞ってジャンプしました。森の最も高い地点から飛び出して、青々とした木々の間を風を切って下っていくと、不安は徐々に薄れて、重力に任せて空中を移動していると到着点が見え、やがてゆっくり停止しました。無事に到着したのです。

回復させる神

イタリアのフィレンツェで1966年11月4日に起こった大洪水により、有名なジョルジョ・ヴァザーリの『最後の晩餐』は、泥水と油の中に12時間も放置されました。額縁は損傷し、絵具も浮き出て、絵の修復は不可能に思われました。しかし、専門家とボランティアが、あらゆる障壁を乗り越え、地道な修復作業を50年間続けたことで、この大作は復元されました。

和解の関係

子どもの頃、妹とよく姉妹(きょうだい)げんかをしましたが、その一つをはっきり覚えています。互いにののしり合う中で、妹は当時の私が赦せないと思うような発言をしました。私たちのいがみ合う様子を見た祖母は、互いを愛し合う責任があると諭しました。「神様が下さったたった2人の姉妹よ、もう少し優しくしなくてはいけないでしょ」と言いました。相手に対する愛と思いやりを下さいと2人で祈ったところ、自分がいかに相手を傷つけたかが分かり、赦し合うことができました。

神が私を強くする

サッカー選手のクリスチャン・プリシッチは、選手生命を脅かすようなけがを何度もしました。チャンピオンズリーグ準決勝の先発メンバーに選ばれず落胆していた時に、神がご自身を現してくださったと言います。「いつもどおり、神に助けを求めると、神は力を下さいました。私はいつも主が共におられるように感じます。その感覚無しに何かをするなど考えられません」と語りました。プリシッチ選手は結局、途中出場し、彼の巧みなプレーで勝利に貢献し、チームは決勝戦に出場しました。彼はここから貴重な教訓を得ました。それは、自分の弱さは、神が計り知れない御力を現される機会となる、というものです。

霊の刷新

中医学では、真珠粉を使った角質ケアが何千年も行われてきました。ルーマニアでは若返り効果をうたう泥パックが人気です。世界中の人たちが、たるんだ肌さえよみがえると信じて、ボディケアにいそしんでいます。

スタミナ切れ

看護師の友人が「これ以上はもう無理」と涙ながらに訴えました。「自分は看護師に召されたと信じているけれど、もう精神的に参ってしまった」と言いました。新型コロナウイルス感染症がまん延する混乱の中で働き続け、絶望感に圧倒されていたのです。私は友人の疲れ切った顔を見て言いました。「無力さを感じているのね。それなら、神にもらった志を貫く力と、どこに進むべきかという神の導きを祈りましょう」。彼女は即、一般的な祈りではなく、真剣に具体的に祈りました。そして程なく、新たな目的意識を得て、元気を取り戻しました。神は彼女に看護の仕事を続ける気力や体力だけでなく、国中の病院を回ってより多くの患者に仕える強い力を下さいました。