最良の戦略
娘のバスケットボールの試合を観客席から応援していると、コーチがコート上の選手たちに「ダブルス」と短く指示を出すのが聞こえました。即座に守備の体制が1対1から、パスが集中する相手チームの一番背の高い選手にふたりが付く体制に変わりました。彼女たちはその選手にシュートを打たせず、ついに、ボールを奪って、自分たちのリングに入れて得点しました。
心の平安
アメリカンフットボールのプロ選手だったジェリー・クラマーは、現役を引退してから45年間、最高の栄誉である殿堂入りを果たせずにいました。その他の数々の栄誉には浴しているのに、これだけは願いがかないません。ノミネートは10回を数えました。クラマーは、度重なる失望にもかかわらず、品位を感じさせる謙遜な態度で「ナショナル・ フットボール・リーグは、私の人生に多くのものを与えてくれました。ですから、自分がもらえないものを取り上げて、憤慨したり怒ったりするのは愚かなことです」と言いました。
困難の中で喜ぶ
友人の留守電は「素晴らしい一日を!」と言いますが、自力で毎日を「素晴らしい日」にすることはできません。惨めな状況に置かれることもあるでしょう。しかし考えてみると、物事が順調か否かにかかわらず「人生は捨てたものではない」と感じる美しい瞬間が、どんな日にもあるように思います。
投資の利益
米国株式市場の投資家たちは、1995年、平均で37.6%、過去最高の利益をあげました。そして2008年、ほぼ同率、37%の損失を出しました。各年の利益は様々で、投資家たちはいつも心配し、時には恐ろしささえ感じていました。
静かな畏敬の念
私の生活は慌ただしいと常々感じています。会議から会議に移り、折り返し電話を繰り返し、延々と続く「やる事メモ」をつぶしていきます。ある日曜日、疲労困憊で庭のハンモックに倒れ込みました。スマホは家の中、夫も子どもたちも家にいました。最初はほんの少しだけのつもりだったのに、その静けさの中には、留まりたいと思わせる数々のものがありました。きしむハンモックの穏やかな音、ラベンダーの周りを飛ぶ蜂の音、鳥の羽音も聞こえました。空は抜けるような青さで、白い雲が風に乗って流れています。
関係を回復される
モルモンクリケットというキリギリスの一種が2003年に米国で大量発生し、農作物に27億円以上の損害を与えました。当時、人々の足元に常に虫がいる状態だったといいます。モルモンクリケットという名前は、1848年にユタ州の開拓地を襲ったことに由来します。体長は5~8センチほどですが、一匹で17キロもの植物を食べます。このような昆虫は、農家の生活、また地域や国の経済に壊滅的な被害を与えかねません。
閉じた目
彼は自分が悪さをしたと知っていました。そう顔に書いてあります。しかし向き合って話し合おうと座ると、ぎゅっと目を閉じました。3歳の甥の論理では、自分が見えないなら相手にも自分が見えません。見えない相手と話し合ったりはしないので、彼はその場から逃げることができると思ったのです。
豊かさと苦しみ
アン・ヴォスカンプは著書『1000の贈り物』の中で、神がしてくださったことを毎日の生活の中で見つけなさいと勧めています。そうすれば、台所のシンクに虹色の泡ができた、という些細なことから、自分のような罪人にさえ救いが与えられたという大きなことまで、神が様々な形で豊かに施してくださっていることに気づきます。彼女は、感謝の心が、どんな苦境にあっても神を見出す鍵だと言います。
手を伸ばして
我が家の子どもたちは、アイダホ州の寒い冬、空地に作ったスケートリンクで楽しく過ごします。しかし、幼かった頃は違いました。彼らにスケートを教えるのは大変でした。氷の上に足を置きなさいと言っても、転んだときの痛さを知っているので、なかなか言うことをきいてくれません。私たち夫婦は、子どもたちが転ぶたびに手を差し伸べて起こし、真っ直ぐに立てるように助けてあげました。