空の鳥
夏の朝、外に出ると笑顔の隣人が小声で呼びました。「何?」すると、彼女は風鈴を指さしました。小さな碗のような形状のわらが乗っかっています。「ハミングバードの巣よ。ひながエサを持ってくる母鳥を待っているわ」。上を向いた小さなくちばしが2つ見えました。感激してスマホで写真を撮ろうとすると、彼女は「近づきすぎてはダメ。母鳥が驚くから」と言いました。その日以来、私たちはハミングバードの親子を遠くから見守っていました。しかし、1週間ほどすると、鳥の親子はどこかに行ってしまいました。守ってくれる人はいるでしょうか。
生ける水
エクアドルから花束が送られてきましたが、しおれていました。しかし、説明書通りに水揚げすると、翌朝はすっかり生き返っていて、見たこともない花を楽しみました。これは、新鮮な水の力です。イエスの「生ける水」を想起させました。
心を育む
スコットランドのグリーノックの小学校では、産休中の教員3名が2週間ごとに赤ちゃんを連れて来て、児童たちと交流します。児童たちは赤ん坊と遊ぶことで共感や思いやりを学びます。一番良い影響を受ける児童は、個別指導が必要な「ちょっと難しいタイプ」の子だといいます。子どもの世話をすることは大変だと知り、人を思いやることを学ぶのです。
本当の力
米国の重量挙げ選手ポール・アンダーソンは世界一強い男と言われました。1956年のオリンピック、メルボルン大会では、39度の高熱にも負けず優勝しました。1回目と2回目は失敗し、金メダルへの唯一の望みは3回目で五輪新記録を出すことでした。そこでアンダーソンがしたことは、どんな弱者でもできることでした。自分の強さを手放し、神の強さを求めたのです。そして、3回目で187.5キロを持ち上げました。彼は「取引とかではなく、助けが必要だった」と語っています。
追いかけてくる
初めてアルバイトをしたアパレル店では、女性警備員が客を装って万引防止をしていました。店側が疑うべき人のプロファイルを定め、それに合致する人を尾行し、そうでない人は放っておきます。私自身、いくつかの店で尾行されたこともありますが、背景を知っているだけに複雑です。
スナック菓子の教訓
ドミニカ共和国に派遣された米国人宣教師が、スナック菓子を通して大きな教訓を学びました。教会の委員会の席で、ポテトチップスの袋を開けると、周囲の人が次々に手を伸ばしました。他人の食べ物に手を伸ばすとはずいぶん失礼だと思いましたが、実は、自分が仕え始めた人々の文化を理解していなかったのです。米国では個人主義を良しとしますが、ドミニカ共和国の人たちは共同体を強調します。食べ物や持ち物を分かち合うことは、関係作りの一環です。彼女の礼儀作法は、現地の実情と違っていたのです。彼女は、この発見で謙虚に内省したと語ります。自分には偏った考えがあると気付き、へりくだって自分のものをみんなで分かち合うなら、現地の人により仕えられると分かったと言います。
神に仕事を献げる
ある雑誌の仕事を引き受けました。私が「重要」と感じる雑誌で、一流と評判の編集長は高いレベルを要求します。私は重圧を感じながら、何度も文章を書き直しました。なぜ、こんなに大変なのでしょう。テーマが難解だったのかもしれません。あるいは、この不安は、自分に関することなのでしょうか。不評なら、文章だけではなく、自分が否定されると感じているのでしょうか。
愛に根を張る
詩人サラ・ティーズデールは「五月」と題した詩で「風がライラックを揺り動かし」と詠みました。これは失恋の詩で、悲しみの描写が続きます。我が家のライラックも災難に見舞われました。花の季節が過ぎた頃、芝刈りをした人が強剪定をしたのです。私は丸坊主になった株を見て涙が出ました。花をつけず、うどん粉病にもかかって、もうダメだとあきらめていると、3年後、花が咲きました。時間が必要だったのです。私は待つだけでよかったのです。
温める
コロラド州の我が町は気温の変化が激しく、数分で激変することもあります。ですから、夫は屋内外の温度差に興味を持ち、家の周りの4カ所の温度測定ができる温度計を買ってきて、気温の違いを調べています。くだらない装置だと笑った私も、今では頻繁に温度をチェックして、外と内の温度の差を面白がっています。