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Sheridan Voysey

Sheridan Voysey

シェリダン・ヴォイジー氏は、英国オックスフォード在住の執筆家、講演家、およびラジオパーソナリティです。ヴォイジー氏には、「復活の年」「挫折をばねに新たな出発」「イエスに似た生き方はいかが」など数々の著書があります。また、オーストラリアで毎週日曜夜に放送されるラジオの生トーク番組「オープンハウス」の司会を長年務めました。現在、講演会や各種イベントのスピーカーとして世界各地で活躍中です。大学では神学およびコミュニケーション学を専攻し、これまでに教会や宣教団体の責任者を歴任しました。ヴォイジー氏のブログや音声は、sheridanvoysey.comにて公開されています。フェイスブック(facebook.com/sheridanvoysey)、ツイッター(@sheridanvoysey)のアカウントもあります。(注:サイトは全て英語のみ)

寄稿一覧 Sheridan Voysey

兄弟姉妹

カウンセリングルームに行くと、カレンは泣いていました。彼女は結婚を願う42歳でしたが、好意を示してきた人は、既婚の上司でした。カレンは父に相手にされず、兄にいじめられて育ったので、自分は男性に付け入られやすいと分かっていました。信仰をもってからは一線を引いていましたが、結婚願望は去らず、この恋に悩まされていました。

物語は終わっていない

英国の刑事ドラマ『ライン・オブ・デューティー 汚職特捜班』の最終回の視聴率は記録的でしたが、悪の勝利を示唆する後味の悪いエンディングに、多くのファンは失望しました。ある人は「正義が勝ってほしかった。そういう道徳的な結末が必要だ」と語りました。

避け所

丈夫で大きな窓と分厚い石壁の素敵なホテルに夫婦で泊まったことがあります。海沿いのその場所を、ある日の午後、嵐が襲いました。海はしけて、荒波が怒った鉄拳のように窓に打ちつけました。しかし、私たちは平気でした。ホテルの土台は強固で、壁も頑丈だからです。外は嵐が吹き荒れる中、私たちの部屋は、「避け所」でした。

結婚に例えると

私たち夫婦は結婚して22年。時々、うまくいっていることが不思議だと思います。私は作家で言葉を、妻は統計学者で、数字を扱います。私は美しさ、彼女は機能性を重視します。妻は待ち合わせに早めに来ますが、私は時々遅れます。美術館に入って20分、私は最初の部屋にいますが、彼女はもう、下のカフェで待っています。そんなわけで、忍耐を学ぶ機会を互いに与え合っています。しかし、共通点もあります。ユーモアを愛し、旅行が好きです。人生の土台は同じ信仰で、選択肢や妥協点を探るべきときは共に祈ります。土台が共通だと違いは益になります。双方の性格の違いを用いることで、私たちは共に成長して来ました。

成長は使命

ホヤは不思議な生き物です。柔らかいプラスチックの筒のような形状で、岩や貝に付着して動かず、海水から養分を得ます。幼生期は原始的な脳と脊髄を持つオタマジャクシで、海を泳いで探索し、餌を見つけます。ところが成体になると、岩などに場所を定め、探索も成長も止まります。不気味なことに、その後、脳が消化されていきます。

神の優しさ

大学生の頃、うつの発作によって無力感と絶望感に何度も襲われたという実業家の話を聞きました。残念なことに、彼は医者に行かず、とんでもない計画を立てました。自死に関する本を図書館で予約し、命を絶つ日を決めたのです。

気前の良さと幸福感

研究者たちは、自分の財や時間を人のために使う人は、そうでない人よりも幸福感に富んでいると言います。「寄付を道徳上の義務ではなく喜びの源泉として捉えよう」と主張した心理学者もいます。

結局のところ

日常生活を離れ、祈りと内省の1日を過ごす修養会の講師を頼まれることがあります。私はそこで「将来、あなたの葬儀で、あなたの人生を言い表す1文が、式次第のどこかに掲載されるとします。何と書いてもらいたいですか」と尋ねます。この問いがきっかけで生活の優先順位を変えた人もいました。いのちのしまい方を良いものにしたいからです。

もう1度歌おう

オーストラリアに生息するキガオミツスイは危機に直面しています。仲間たちが300羽ほどに減ってしまい、歌い方を習えません。それで求愛が成功しないのです。幸い保護活動が進行中です。録音した独特の鳴き声を聞かせて、心の歌を思い出させるように助けています。オスが鳴き方を習得して求愛に成功し、個体数が増えることを願っています。