

忍耐強く
放送局の社員だった小国士朗(おぐにしろう)氏は、認知症の高齢者のグループホームを訪問し、そこで皆の間違いを受け入れる姿に感動しました。それをきっかけに、寛容さと多様性を一緒に学ぼうと明るく啓発する方法を考え、その豊かな発想力と創造性によって「注文をまちがえる料理店」というイベントを開催しました。これは、ホールスタッフ全員が認知症患者で、それゆえ、注文を間違えるかもしれない、という一風変わったイベント型レストランです。注文を取る人全員が、記憶障害を抱えています。顧客の37%が注文通りの料理を食べられなかったというので、飲食店の常識からいえば失敗でしょう。しかし、お客は、それを承知で来ているので、「びっくり」の後には、「ごめんなさい」と大笑い。客は満足して帰っていきます。

助けてくださる神
ある女性が9歳の息子をキャンプ場に送り届ける途中、道を間違え、カリフォルニア州シエラネバダ山脈の人里離れた森で動けなくなりました。スマホの電波も届かず、GPSも圏外です。丸1日が経ち、車中で夜を明かし、切羽詰まった女性は、息子を連れて歩き出しました。そして、「助けて。息子と二人、遭難しています」と、道すがらに、書いていきました。一方、予定時刻にキャンプ場に現れなかった二人の捜索に派遣された救助隊は、車やメッセージを発見し、すぐに二人を見つけ出しました。

見当違いは命取り
学校で授業をしていると、窓の外で「ドン!」と大きな音がしました。生徒たちが驚いて、そちらに目を向けると、また「ドン!」鳥が、頭からガラス窓に突っ込んで跳ね返り、再度、突進してぶつかったのです。後から読んだところ、米国内だけでも、毎年10億羽を超える鳥が、窓に衝突して死んでいるとのことです。草むらや畑の風景が窓に映っているのを見て、そこに行けば餌や巣材があると勘違いして突進するのだそうです。窓に映った自分の姿を他の鳥だと思い込んで、追い払おうとして難に遭う場合もあります。そんなとき、鳥ははっきり見えたと思い込んでいます。実は錯覚なのに……。

忍耐は喜びに続く
我が家の玄関に続くレンガの階段の隅っこに、赤いベゴニアが咲いています。植えたわけではありません。つり鉢から種が落ちたのでしょう。決して良いとはいえない生育環境の中、毎年、この時期に花が咲き、忍耐の美しさを私たち夫婦に思い出させてくれます。