Category  |  神の誠実さ

損失をのり越えて

作家ウィリアム・ジンサーは、大好きだった自分が育った家を見に行った時のことを書いています。妻といっしょに、マンハセット湾とロングアイランド水道を見渡せる丘に登って目にしたのは、残った大きな穴だけでした。その家は取り壊されていたのです。彼らはがっくり肩を落として、近くの防潮堤まで歩きました。ジンサーは湾岸の景色を見つめ、あたりの音に耳を澄ましました。そして、その経験を次のように記しています。「ほんの少しの悲しみだけで、心は平安でした。風景は昔のまま。今でも夢に見るぐらい私の心に深く刻まれた、その独特な陸地と海の輪郭は、少しも失われていませんでした。」

順応というチャレンジ

プロのアメフト選手だったクリス・サンダースは怪我のために引退した後、帰還兵たちを前に講演して、自分は戦闘を経験したことはないけれども、「環境の変化に順応するのは大変だということはよく分かる」と言いました。失業、離婚、重病、または財産の喪失など、人生の重大な変化は、大きな課題を私たちに突き付けます。しかしサンダースは、新しい生活に順応していく秘訣は、自分から助けを求めることだと語りました。

力を与える賛美

ジョン・フィリップ・スーザは「マーチ王」と呼ばれます。軍楽隊の指揮者であり作曲家で、その作品は、100年以上にわたって世界各地の軍楽隊で演奏されてきました。バージニア・グランド・ミリタリー・バンドの指揮者で音楽史家でもあるローラス・ジョン・シッセルは、交響曲といえばベートーベンというように、行進曲といえばスーザだと評しています。スーザは、音楽には人をやる気にさせ、励まし、奮い立たせる力があると考えていました。

すべての世代に

子どもたちが親の信仰を受け継がないこともあれば、キリストをまったく信じていない家庭から、キリストに全き献身を貫く人が出ることもあります。不思議に思えるかもしれませんが、どんな時代でも、信仰は各人が自分で選択するものです。

不可能に直面する

私たち夫婦が築40年の自宅を売りに出したとき、イギリスの不動産価格は下がっていたにもかかわらず、2週間後には良い値で買い手が付きました。私は家を相続したので改築して移り住むことにし、施工業者が工事を始めました。しかし、自宅の売買は、契約が完了する数日前に買い手が手を引き、流れてしまいました。私たちは途方にくれました。二軒の家を所有しているものの、その片方は値が落ちていて、もう一方は、そのままでは売ることも住むこともできない廃屋です。新しい買い手が見つかるまでは、改築業者に払うお金もありません。どうすることもできない状況でした。

誕生日のお祝い

誕生日が楽しかった頃がありました。今でも5歳の誕生日のことを覚えています。友だちが誕生会に来るのを、わくわくしながら玄関の外で待っていました。風船やケーキ、プレゼントが嬉しかったのではありません。もう4歳ではなく、大きくなったことが嬉しかったのです。

暗やみの 中から

詩篇77篇を書いたアサフの絶望的な状況が、具体的には何だったのか、私たちには分かりません。しかし、私自身、同じような嘆きを口にし、同様に嘆く人と出会ったことがあります。娘を亡くしてから十数年、家族を失った経験のある多くの人たちが、アサフのような悲痛な叫びを分かち合ってくれたからです。

物語という 遺産の管理

死んだあと、自分の財産がきちんと有効に用いられるように、力を尽くして準備する資産家がたくさんいます。遺言を書いたり、信託財産にしたり、基金を作ったりして、自分の人生が終わった後も、財産が良い目的に使われつづけていくようにします。私たちはこれを良い財産管理だと考えます。

太陽の暖かさ

アメリカで1961年に結成されたロックバンド「ビーチボーイズ」のメンバー、ブライアン・ウィルソンとマイク・ラブは、1963年11月のある日、アップビートで典型的な「ビーチボーイズ」の曲とは全く違った雰囲気の曲を作りました。それは、失ってしまった愛を悼む曲でした。後日、マイクは次のように語りました。「あのような喪失はとても辛いけれど、良いこともあります。それは、愛したという経験が、まずあったということです。」彼らはその曲に「太陽の暖かさ」という題をつけました。