1年で聖書を!
◆ 民数記25-27
聖書のみことば ローマ11:26-36
 
天が地よりも高いように、わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、―イザヤ書55:9

使徒パウロの最大の願いは、自分の出会ったメシヤを同胞のユダヤ人が信じることでした。彼は「私には大きな悲しみがあり、私の心には絶えず痛みがあります。もしできることなら、私の同胞…のために、この私がキリストから引き離され…ることさえ願いたいのです」と語りました(ロマ9:2-3)。しかし、あの街でもこの街でも、ユダヤ人はパウロに反対し、イエスを拒絶しました。

この格調の高い手紙の中心となっている情熱的な部分(ロマ9-10章)で、パウロは自分の叶えられなかった祈りについて、神と格闘しました。しかし彼は、この苦しみの中にも貴重な副産物があったことを認めています。それは、ユダヤ人がイエスを拒否したために、異邦人がイエスを受け入れるようになったことです。神はユダヤ人を拒絶したのではなく、異邦人と同じ機会を与えられたのだと、パウロは結論付けました。神は門戸を狭めたのではありません。人類全体に広げられたのでした。

パウロが一歩退いて全体像をとらえたとき、彼の文章は高揚し、神をたたえる頌栄がほとばしりました。

「ああ、神の知恵と知識との富は、何と底知れず深いことでしょう。そのさばきは、何と知り尽くしがたく、その道は、何と測り知りがたいことでしょう」(ロマ11:33)。

叶えられない祈りや不可解な疑問は、神の長期計画というパノラマの前で色あせていきます。

叶えられない祈りによって、私はパウロを沈黙させた神秘に向き合います。それは、神の視点と私の視点が、あまりにも大きく違うという神秘です。

(Philip Yancey)

祈りは、歩いても疲れることのない力を与える。(Chambers)