ふたりの男が麻薬密売の罪で死刑判決を受け、刑務所で10年間を過ごしました。そして服役中に神の愛とイエスの贖いを知り、生き方が変わりました。死刑は銃殺でしたが、彼らは銃を構えた一群を前に「主の祈り」を唱和し「アメイジング・グレイス」(聖歌229番)を歌いました。彼らは信仰によって聖霊の力を受け、信じられないほどの勇気をもって死と向き合いました。

彼らは救い主イエスの信仰の模範に従いました。イエスは死が切迫していると悟られた夜、しばらくの時を友人たちと歌って過ごされました。そのような状況で歌を歌ったこと自体に驚きますが、さらに驚くのは歌の内容です。その夜、イエスの一行は過越の食事をしました。それは必ず「ハレル」と呼ばれる詩篇、すなわち詩篇113篇から118篇を歌って終わります。イエスはその夜、ご自分を取り巻く「死の綱」(詩116:3)を歌いつつも、神の変わらない深い愛を賛美し(117:2)、神の救いに感謝されました(118:14)。十字架にかかる前夜のことです。主はどれほど、これらの歌に慰められたことでしょう。

イエスは神を深く信頼しておられたので、不当な死刑を前にしてさえ、神の愛を歌うことを選ばれました。イエスのおかげで私たちも確信できます。どんなことに直面しても、神は必ずともにいてくださいます。