炭鉱夫たちは、1876年、「ハデスの門」(マタ16:18)を発見したと思ったそうです。深さ180メートルまで掘り進んだとき、轟音とともに異臭が立ち込めたのです。歴史家ジョン・バーロウ・マーティンによると、彼らは悪魔の洞窟の天井に穴を開けたのかもしれないと恐れ、穴をふさいで逃げ帰ったといいます。もちろん、それは勘違いです。数年後、インディアナ中央部の同じ場所から、豊富な天然ガスが発見されました。

しかし、私は彼らがうらやましいと思いました。私には希薄な霊の世界に対する意識を、彼らがしっかり持っていたからです。私の生活は、目に見える世界と見えない世界が交わることがめったになく、「私たちの格闘は血肉に対するものではなく、…天にいるもろもろの悪霊に対するもの」(エペ6:12)という真理を忘れがちです。

しかし、悪が勝利している世界を見ても、あきらめてはいけません。私たちは「神のすべての武具」によって悪に抵抗すべきです(13-18節)。キリスト者は、自分の力で悪と戦おうとせず、聖書を学び、互いに啓発し、励まし、他者の益となる選択をすることで、「悪魔の策略に対して立ち向かう」べきです(11節)。聖霊によって知恵や力を備えられるなら、どんなものにも立ち向かえます(13節)。