彼の名はスペンサーですが、皆はスペンスと呼びます。高校時代は陸上競技の花形選手で、全額給付の奨学金を得て一流大学で学び、現在は化学工学の分野で成功しています。しかし、自分の偉業について聞かれると、それらには一切言及せず、ニカラグアの貧困地区に設立した教育プログラムについて語ります。今も現地に通ってその運営にかかわっていると言い、この人たちに仕えることで、どれほど自分の人生が充実しているか、熱く語るのです。

イエスが「最も小さい者」と言われたとき、それは、何かをしてもらっても、返礼が全くできない人たちのことを指していました。世間は、そういう人たちに無関心です。完全に無視することさえあります。ところがイエスは「あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、しかも最も小さい者たちのひとりにしたのは、わたしにしたのです」(マタ25:40)と言われ、この人たちの立場を格段に引き上げました。

最も小さい者に仕えることが主に仕えること、という言葉の意味を理解するために、一流大学の学位は不要でしょう。必要なのは、やろうという意志だけです。