その夜、テネシー州メンフィスは雷鳴轟く嵐でした。1968年6月4日、キング牧師は疲労で体調も悪く、ストライキ中のゴミ収集作業員を支援する予定の集会はできないと考えていました。しかし、悪天候を物ともせず大群衆が会場の教会に向かっていると聞き、驚いて駆けつけ、「私は山の頂きに立った」という有名な演説をしました。翌日、キング牧師は銃弾に倒れましたが、この演説は、今も抑圧にあえぐ人々を「約束の地」の希望で励ましています。
ヘブル人への手紙は、迫害下のユダヤ人の信者を鼓舞するために書かれました。著者は「弱った手と衰えたひざとを、まっすぐにしなさい」(12:12)と書きましたが、ユダヤ人なら、その言葉の出どころはイザヤの預言だと分かりました(イザ35:3)。
その手紙は、今日のキリスト者である私たちに対しても、「私たちの前に置かれている競走を忍耐をもって走り続けようではありませんか。信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい」(ヘブ12:1-2)と呼びかけます。そうすれば、心が元気を失い、疲れ果ててしまうことはありません(3節)。人生には必ず嵐がやって来ます。しかし、主にあって、このお方を土台として立つなら、私たちはそれに粘り勝ちを収めるでしょう。
霊が嵐に揺さぶられるとき、どのように対応しますか。主と主の約束を見つめると、どのように励まされますか。