植物学者ウィリアム・ビールは、1879年、20本の瓶にいろいろな植物の種子を詰めて地中に埋めました。種子生存率実験を試みたのです。20年ごとに1本の瓶を掘り出し、中の種を蒔きます。そして、どの種が発芽するかを見るのです。

イエスは種蒔きについてたびたび語られました。種蒔きを「みことば」を広めることに例えられました(マコ4:14)。主は、サタンに取り去られる種、根が付かない種、周りのことに惑わされて実を結ぶことが出来ない種があると言われました(15-19節)。私たちが「みことば」という種を蒔くとき、どの種が生きて育つかは、私たちの能力によるところではありません。私たちの仕事は、ただ福音の種を蒔くこと、イエスについて語ること、それが「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝え」(16:15)ることです。

ビールの埋めた瓶の1本が、2021年に掘り起こされ、研究者が種を植えると、142年以上も生き延びた種が芽を出しました。神が私たちを通して働かれ、私たちは自らの信仰を語ります。私たちの話したことが、誰かの信仰につながるか、それがいつ起こるかは、誰にも分かりません。しかし、自分が蒔いた福音の種が、長い年月の流れの後でも「受け入れて、実を結ぶ」(4:20)かもしれないという事実に、私たちは励まされるべきです。