発明家のアレクサンダー・グラハム・ベルは、1876年、電話の実験に初めて成功しました。助手のトーマス・ワトソンに電話をかけ、「ワトソン君、ちょっと来てくれ」と言ったのです。雑音混じりで聞きづらいものでしたが、何と言ったのかは十分に分かりました。このベルの第一声は、人類の通信にとって、新しい時代の夜明けでした。

聖書は、茫漠(ぼうばく)として何もない地に、第1日、初めて夜明けが訪れたと述べています。神の第一声は「光、あれ」でした(創1:3)。神の言葉には、創造の力がみなぎっていました。神が命令されると、そのようになりました(詩33:6、8)。「光、あれ」と仰せられると、闇と混沌は退き、光と秩序が現れました。光は、闇の支配に対する神の応答でした。神の言葉は、即座に勝利をもたらしました。神は光を創造され、それを良しと見られました(4節)。

神の第一声は、今でも、キリスト者の人生に力強く働きます。夜が明けて新しい1日が始まるとき、あたかも神が私たちの人生に「光、あれ」と改めて宣言されているかのようです。文字通りであれ、比喩であれ、「闇」が、神の光に道を譲るとき、神を賛美することができますように。神は、「光、あれ」と私たちに呼びかけ、私たちをしっかり見てくださったのですから。