ノキア社は1998年、売上世界一の携帯電話会社となり、翌年の利益は5千億円に迫る勢いでした。しかし、2011年までに業績は悪化、やがてマイクロソフト社に買収されました。その失敗の一端は、恐れに支配された企業風土でした。責任者たちは解雇を恐れて基本ソフトなどの問題点を報告しませんでした。この決断が破滅を招いたのです。

アハズ王とユダの民も恐れていました。イスラエル王とアラム(シリア)の王が連合軍を結成し、ユダに進撃中だと知ると(5-6節)、「王の心も民の心も、林の木々が風に揺らぐように揺ら」ぎました(イザ7:2)。神が預言者イザヤを遣わして敵の企ては成功しないと伝えたにもかかわらず(7節)、愚かな王は恐怖のあまり超大国アッシリアと同盟を結び、服従することを選んだのです(Ⅱ列16:7-8)。アハズは「あなたがたは、信じなければ堅く立つことはできない」と宣言された神を信頼しませんでした(イザ7:9)。

ヘブル人への手紙は、「約束してくださった方は真実な方ですから、私たちは動揺しないで、しっかりと希望を告白し続けようではありませんか」(10:23)と語り、今日の私たちにとって、信仰に堅く立つとはどういうことか考えさせてくれます。どうか、たゆまず前進し、恐れ退くことがありませんように(39節)。イエスを信頼するように聖霊が助けてくださるのですから。