なぜ競合店を助けたのでしょう。ウィスコンシン州のレストラン経営者アドルフォにとって、それは同業者たちを励ますためでした。コロナ禍の営業規制の中、アドルフォ自身、苦境にありました。しかし、地元の会社の太っ腹な行為に触発され、自腹で30万円相当の食事券を買いました。それを来店客に贈り、近隣の別のレストランにも行ってもらうためです。彼の行為は、口先だけでなく行いを伴った愛でした。

ご自分のいのちを捨てるというイエスの究極の愛を土台に(Ⅰヨハ3:16)、各々の愛を一歩前に進めなさいと、使徒ヨハネは励ましています。彼は「兄弟のためにいのちを捨てる」(16節)ことを促していますが、それはイエスのように人を愛すという意味です。その愛には、日々の具体的な行動、例えば金品の分かち合い、が伴います。口先だけでは不十分です。愛というからには、まごころと目に見える行いが必要なのです(18節)。

行動を伴う愛は容易なことではありません。往々にして、自分を犠牲にしたり、不利な立場を忍んだりしなければならないからです。しかし、神の御霊に強められ、自分が享受している大きな愛を思うなら、私たちはもう一段進んだ愛に踏み出すことができます。