詩人ウィリアム・カウパーの人生は、うつとの戦いでした。自殺未遂で精神病院に入れられましたが、そこでキリスト者の医者と出会い、生きて働くキリストを信じました。まもなく牧師で賛美歌作者のジョン・ニュートンと知り合い、賛美歌集を作ることを勧められました。彼の作品の一つは「み神のみわざは」(新生讃美歌84番)です。カウパーはこの歌で神の御業のくすしさをたたえます。そして、自身もつらい状況にある中で「あらしの波間に神は在す 主にある聖徒よ勇気を持て 黒雲開けて恵みくだる」と歌うのです。

ユダの民も神の不思議な御業を経験しました。敵の連合軍が攻めてきた時、ユダのヨシャファテ王は、人々を集めて共に祈りました。そして、賛美隊を最前列に据えて出陣しました(Ⅱ歴20:21)。すると侵略者たちは同士討ちをしたのです。聖書は「逃れた者は一人もいなかった」(Ⅱ歴20:24)と語ります。分捕り物はあまりにも多かったので、それを奪うのに三日もかかりました。そして四日目、彼らは侵略者と戦った地である「ベラカの谷」に集まりました。「ベラカの谷」とは「賛美の谷」または「祝福の谷」という意味です(26節)。彼らにとって文字通り「賛美の谷」になったのです。何という変化でしょう。神のあわれみは、つらく深い谷を賛美の地に変えてくれます。さあ、あなたの苦難を神に委ねましょう。