メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』には「怪物」が登場します。しかし、この小説をよく読むと、作者の目的は、妄想から「怪物」を生み出したヴィクトル・フランケンシュタインこそが本当の「怪物」だと描くことだったのだろうと思います。知性ある生き物を作っておきながら、ヴィクトルは、その生き物と交わることをせず、幸福の希望さえ与えず、絶望した「怪物」が復讐(ふくしゅう)に燃えても当然の状況を作りました。「怪物」はヴィクトルに向かって「私の創造者。あなたは私を八つ裂きして、凱歌(がいか)をあげるんだ」と嘆くのです。

聖書に描かれた真の創造主は全く違います。神は、不変かつ不断に被造物を愛します。神は気まぐれで創造されたのではありません。愛ゆえに美しく「とても良い」(創1:31)世界を造られたのです。人が神に背き悪事の数々を選んだ時でさえ、神の愛と誠実は変わりませんでした。

イエスがニコデモに教えられたように、神の被造物に対する愛は非常に大きかったので、ご自分の最も大切な「ひとり子」(ヨハ3:16)のイエスをさえ、喜んで与えらました。世界を救うためです。イエスは犠牲となって十字架にかかり、私たちの罪の報いを受けてくださいました。「信じる者がみな、人の子にあって永遠のいのちを持つため」(15節)です。

私たちは創造主なるお方を心から信頼し、全人生を託すことができます。