天の父を呼ぶ
米国のハリー・トルーマン大統領が、第2次世界大戦の終結を宣言した数分後、ミズーリ州グランドビューの小さな家の電話が鳴り、92歳の女性が席を立ちました。「もしもし。ええ、元気よ。はい、はい、ずっとラジオを聴いていたわ。できればこっちにも来てちょうだい。それじゃあね」。そして、客のところに戻ると、「今のは息子のハリー。素晴らしい子よ。電話があると思ったわ。何かが決着すると、いつも電話をくれるから」と言いました。
人生を変革する神の賜物
学生向けの聖書の学び会で、聖書を手渡しながら、神のみことばは人生を変えますと伝えました。すると、数人がヨハネの福音書を一緒に読んで学ぶと約束してくれました。私たち夫婦は聖書を教える一方で、自分で聖書を読むことも勧めました。十数年後、グループの1人に再会しました。彼女は「頂いた聖書を今でも使っています」と語り、信仰が証しされていました。
みんなでキャンプを
私たちは西アフリカの広大な星空の下でキャンプをしました。乾季にテントは不要ですが火は極めて重要です。父は「絶対に消してはいけない」と言って、たき火の世話をしました。ヒョウやヘビに周りをうろつかれては大変です。火が野生動物を遠ざけてくれるのです。父はガーナに派遣された宣教師で、あらゆることを教育の機会に変える達人で、キャンプも例外ではありませんでした。
豊かな恵みを届ける道
昔、教職者と信徒リーダーのための研修会に出席した時のことです。多くのキリスト者が神から頂いた賜物をいかして仕える姿に感心しました。主催者の牧師の賜物は教えることだったので、大勢の参加者にたましいの糧を届けていました。それ以外にもたくさんの人がスキルや能力を駆使し、おもてなし、賛美、祈り、運営等、参加者のために最善を尽くしていました。子どもからシニア世代の人たちまで、皆が協力し、目立つ目立たないにかかわらず、必要に応じて積極的に動いていました。自らを惜しみなく差し出す姿勢から、神の恵みとあわれみがあふれ、参加者も奉仕者も共に恵まれたのです。
霊の賜物は、神の恵みを運ぶ経路と考えてはいかがでしょう。「神の様々な恵み」をご自身のからだと世の中に届けるために、神は私たちの賜物を用いられます。「それぞれが賜物を受けているのですから、神の様々な恵みの良い管理者として、その賜物を用いて互いに仕え合いなさい」(Ⅰペテロ4:10)
新約聖書には、他にも霊の賜物について語る箇所(ローマ12:3-8、Ⅰコリント12:27-31参照)がありますが、ペテロの手紙第一4章10-11節は、簡潔明快、基本の「き」です。神が賜物の送り主で、みこころのままに賜物をお与えになります。そして、賜物を授かった私たちキリストのからだは、恵みの配達人となるのです。
神の恵みは豊かで奥深く、多彩です。ですから、恵みを届ける方法や賜物もバラエティに富んでいます。それは、私たち一人一人が信仰者として成熟するのを助けるためです。各々、与えられた賜物を用いて、神を尊び、互いに仕え合うことができますように。
イエスを信じる一人一人が聖霊の働きによって霊の賜物を授かっています。しかし、キリスト者が教会の壁を越えて互いのために賜物を用いるとは、何を意味するのでしょう。
【このテーマは今月の以下のエッセーでも取り上げています。】
1日 神の意向によって仕える
8日 イエスに仕える
15日 真摯に祈る
22日 良い行いの器
神の意向によって仕える
アンドリュー・カードは、ブッシュ米大統領の首席補佐官でしたが、ホワイトハウスにおける自身の役割について次のように語りました。「各スタッフの部屋には『大統領の意向によって仕える』という額が掛かっています。『仕える』とは、歓心を買うという意味ではありません。大統領が職務を遂行するために必要なことを知ってもらうために奉仕するという意味です」。大統領の職務とは国の統治です。