津波のあとで
2004年12月26日、著者アジス・フェルナンド師の愛する母国スリランカを大津波が襲い、壊滅的な被害を与えました。この小冊子は、神を愛する一市民としての彼の考えをまとめたものです。自然災害などの渦中にいる方、支援に携わる方、そして惨状を覚えて心騒がせているすべての方の助けとなれば幸いです。「私はこの文章を、津波の数日後に書いています。……このような状況になると私たちは、聖書の中に励ましと導きを見つけようとします。そして聖書が、私たちに多くのことを語りかけていることを見出します。この小冊子は、スリランカのクリスチャンたちが今、何をすべきか、ということを聖書に基づいて私なりに考えてまとめたものです。さらに原文を改訂し、津波に限らずどのような惨事に直面している人にも役立つようにと考慮しました。」(本文より)
神と共に信仰の旅へ
人生を旅に例える人がいますが、信仰もまた旅のようです。その旅がどんなもので、誰と一緒で、どこへ向かうのかについて、この7日プランを用いて共に学びましょう。
真の贈り物
短期宣教旅行でペルーに行き、路傍伝道をしていると、若い男性に金銭を求められました。安全上の理由で主催者に禁じられていたので、他に支援の方法はないかと考えました。すると使徒言行録3章の物語が心に浮かびました。ペトロとヨハネが施しを乞う足の不自由な男性に出会った話です。私は彼に、お金は渡せないけれども、神の愛という良い知らせは伝えられると語りました。彼が自分は孤児だったと明かしたので、神はあなたのお父さんになりたいのよ、と伝えると、彼は涙しました。私は現地の教会の一人に彼を紹介し、後々のフォローを頼みました。
神の約束に励まされて
病院での診察や検査に一日中かかりました。利発な19歳の青年を苦しめている病気の正体はいまだ分かりません。その親子は落胆して家路につきました。すると驚いたことに、玄関扉の前にきれいに飾られた箱が置かれていました。正面にはイザヤ書43章2節が印刷されていて、中には友人らが手書きした励ましのみことばが、たくさん入っていました。親子は、友人たちの思いやりと聖書のみことばに元気づけられるしばしの時間を過ごしました。
新しい命
バヒ-ルとメデットは中央アジアの国で共に育ち、親友でした。しかし、バヒ-ルがキリスト者となると全てが変わりました。メデットは、当局に通報し、バヒールは激しい拷問を受けました。兵士は「お前の口がイエスの名を語ることは二度とない」と怒鳴りました。血まみれのバヒールは「そうかもしれない。だけど、キリストが私の心になされたことは変えられない」と絞り出すように言いました。