父が退院して在宅介護が始まりました。栄養補給の管につながれ、寝たきりで、24時間のケアが必要です。私は母の胃の手術の準備もあり、仕事ではくせ者の顧客に悩まされ、精神的に参っていました。ある日トイレで一人「父よ、助けてください。今日一日、そして明日も明後日も、生き抜く力を与えてください」と涙ながらに訴えました。

ダビデ王もまた、苦難続きで参っていました(詩55:3-6)。実子アブシャロムの謀反、親友の裏切り、エルサレムの反乱に無力で「恐れとわななき……戦慄」(6節)に襲われました。

しかしダビデは神を頼みました(24節)。「主は従う者を支え とこしえに動揺しないように計らってくださる」(23節)と信じていました。全能の神を長年信頼する中で、彼は、苦難に遭遇することはあっても、神を頼るなら、究極の滅びはない、絶望する必要はないと悟っていました。「人は倒れても、打ち捨てられるのではない。主がその手をとらえていてくださる」(37:24)と述べています。「わたしは神を呼ぶ。主はわたしを救ってくださる」(55:17)。彼は神の力と知恵に支えられていると知っていました。

あの時から14年。今も家族で協力して父を在宅介護しています。この年月で学んだことは、神に重荷を委ねるなら神が支えてくださるということです(23節)。神が私の重荷を負い、私自身をも背負ってくださるのです。