デイリーブレッド

神の御手は届く

身体検査を受けて所内に入り、面会簿に記名して混雑した待合室の椅子に座りました。ため息をつく大人や駄々をこねる幼い子どもたちを見ながら、私は心の中で祈りました。かなり待たされてから、武装した看守が名簿を読み上げ、部屋に案内されると、指定された椅子に座りました。厚いガラス窓の向こうに継息子が座り受話器を手にしたとき、私は自分の無力さに圧倒されて涙を流しました。しかし、神は慰めてくださいました。彼はまだ、神の御手の届くところにいると。

国々が一つとなる

アメリカとカナダの国境線は水陸合わせて8千800キロメートル以上あり、世界最長です。国境線を明確に示すため、そこから両側に3メートルの幅で木を定期的に伐採します。この細長い伐採地は「スラッシュ」と呼ばれ、8千以上の石碑が点在しており、どこが境界線かは一目瞭然です。

神の御手の中に

娘が18歳になりました。法律で成人と認められ選挙権も得ました。間もなく高校を卒業して大人の人生を歩み始めます。そんな今、私は切迫感にかられます。彼女に大人として生きていくために大切なこと、例えば、お金の管理の仕方、世界の諸問題に目を向ける、賢明な判断の方法、などを教えてやれる同居の期間はあまり残されていないからです。