自分らしさとは?
ジョシュア・エイブラハム・ノートンは、1859年、自分は米国の皇帝だと宣言しました。高貴な身分を求めてサンフランシスコの夕刊紙に「ノートン皇帝」の布告を掲載すると、大半の人が笑いました。一方、彼は社会問題に取り組み、独自の通貨を発行し、英国のビクトリア女王に求婚し、両国を併合しようと手紙を送りました。皇帝風にあつらえた軍服を着ていて、どこから見ても国王に見えたそうですが、もちろん違います。誰も自分の身分を仕立てることはできないからです。
イエスにとどまる
ジュノという保護猫をもらいました。大人の黒猫です。正直なところ、私はネズミを退治したかっただけでしたが、家族はペットが欲しかったのです。保護施設の担当者は、最初の週は必ず同じ時間に餌をあげるように指導しました。ここが自分の家であり、必ず餌をもらえる安全な場所だと学ばせるためです。そうすれば、仮に徘徊(はいかい)しても、必ず帰って来るからです。
神はあなたを知っている
最近、ミケランジェロの彫刻『モーセ』の大写しの写真を見ました。すると、モーセの右腕に小さく盛り上がった筋肉が見えます。この筋肉は小指伸筋で、小指を上げるときだけに収縮します。巨匠ミケランジェロは写実性で知られています。人間の体に細心の注意を払い、誰もが見逃してしまうような細かい部分を含めて彫刻します。
涙の中の祝福
英国在住の若い男性から米国の私にメールが来ました。彼の63歳の父親が病院で生死の淵をさまよっていると言います。私は、この2人と面識はないのですが、父親の方とは仕事の関係で頻繁なやり取りがありました。息子は、父に励ましと祈りのビデオメッセージを送ってもらいたいと依頼してきました。私は感動して、短いあいさつと癒やされるように祈る動画を作りました。父親はその動画を見て、心から喜んだそうです。しかし、残念なことに、数日後、彼の訃報が届きました。妻の手を握ったまま、息を引き取ったそうです。
燃えるような愛
詩人、画家、銅版画職人のウィリアム・ブレイク(1757-1827年)は、45年間の幸せな結婚生活を送りました。彼と妻のキャサリンは、結婚式の日から彼の亡くなる1827年まで、夫婦で支え合って創作活動をしました。キャサリンはウィリアムのスケッチに彩色を施し、互いに対する献身で、長年の貧乏生活や他の試練を乗り越えました。病の床にあった最期の数週間でさえ、彼は絵を描き続け、最後のスケッチは妻の顔でした。キャサリンは、その4年後、夫の鉛筆を握りしめて亡くなりました。
力強く駆け抜ける
インドの最高齢のスポーツ選手、103歳のマン・カウアーは、2019年にポーランドで開かれた世界マスターズ陸上競技選手権大会の4種目で金メダルを獲得しました。そればかりか、短距離走で自己記録を更新したのです。カウアーは人生を力強く駆け抜ける姿を見せてくれました。
未来は神に委ねる
ラズロ・ヘニエイツは、2010年、仮想通貨のビットコインで初めて買い物をしました。ピザ2枚(2,000円相当)を買って1万ビットコインを支払いました。これを2021年のビットコインの最高値で換算すると500億円になります。ラズロはビットコインの価格が急騰する以前、これでピザを買い続け、総額10万ビットコインを支払っています。もし全てを貯めていれば60兆円を超える財産となって、フォーブズ誌の長者番付に名を連ねていたでしょう。未来を予知できていたなら……。
明るい未来を作る
カンザス州の小さな町ネオデシャの高校で、生徒300人が驚く話を聞きました。町とつながりがある夫婦が、この先25年間、ネオデシャ出身の大学生の学費を払ってくれるというのです。彼らは驚がくし、大喜びで、涙ぐむ者もいました。
恨みでなくあわれみを
アメリカ同時多発テロ事件が2001年9月11日に起こり、グレッグ・ロドリゲスは世界貿易センタービルで亡くなりました。両親は悲嘆に暮れながらも、自分たちの対応を慎重に考えました。2002年、母のフィリスはテロの協力者とされる人物の母親、アイチャと面会しました。 「私は彼女に近づいて両手を広げました。私たちは抱き合って泣きました……心は瞬時に触れ合いました……共に息子のことで苦しんできたのです」とフィリスは語ります。