オーストラリアのブリスベン市庁舎は1920年代の素晴らしい建物です。白い階段はミケランジェロのダビデ像と同じ採石場の大理石、尖塔はベニスのサン・マルコ寺院を模し、ドームは南半球最大です。頂上に巨大な平和の天使を飾る予定でしたが、建築資金が底をつきました。そこで配管工のフレッド・ジョンソンは、トイレの水槽や古い街灯、廃棄された金属片などを用いて球状の飾りを作りました。それが約100年間、頂上に鎮座しています。

あるものを活用したジョンソンのように、自分の持つもので神の御業に参加できます。神に御民のエジプト脱出を命じられると、モーセは「ですが、彼らは……私の声に耳を傾けないでしょう」(出4:1)とちゅうちょしました。神は「あなたが手に持っているものは何か」(2節)と問われました。それは普通の杖(つえ)でしたが、神が命じたとおりに地に投げると蛇になり、神が命じたとおりにつかむと杖に戻りました(3-4節)。神の指令はただ、その杖を携えて行き、その他のことは神に任せるというものでした。驚くべきことに、神はモーセの杖を用いて、イスラエルをエジプトから救出されたのです(7:10-12、17:5-7)。

大したものは持っていないと思っていても、神が共におられれば、それで十分です。神は、私たちの平凡さや普通の持ち物を御業のために用いてくださいます。