生き方という遺産
小さな町のホテルに滞在したとき、道の向こう側の教会で、集会が行われているのに気づきました。教会はすし詰めで、立ち見どころか歩道まで、老いも若きもあふれる人だかりです。ふと、道路脇に霊柩(れいきゅう)車が止まっているのに気づき、それは葬式だと分かりました。あんなに人が多いのだから、地元の名士、つまり裕福な実業家か有名人だろうと推測しました。そして好奇心から、「すごい数の参列者ですね。この町で有名な方だったのですか」とフロント係の人に尋ねました。
間違った蹄鉄
ナポレオンが200年前、ロシア帝国に破れたのは、ロシアの厳しい冬のせいでした。ことに、馬に夏用の蹄鉄(ていてつ)をつけていたことが問題でした。これらの馬は冬の凍った道で、滑って転んで死んだのです。馬は物資を積んだ馬車を引いていたので、物資の調達が滞り、強力な40万人の軍隊は1万人に減ってしまいました。ちょっとした不注意が大惨事を引き起こしました。
意外性
夫婦でアメリカ南部を旅行しました。暑い真夏の昼さがり、アイスクリームを買った店の壁に「スノーモービル絶対禁止」という看板がありました。その意外性に思わず吹き出しました。
愛の言語
宣教師としてメキシコに来た祖母は、スペイン語の修得に苦労しました。あるとき、市場で自分の買い物リストを見せ、「二つの言語で書かれています」と言いました。ところが、それを聞いた肉屋さんが、彼女は牛タンを二枚買いたいのだと勘違いしました。英語の「舌」には、「言語」という意味があるからです。家に帰って包みを開くとタンが出てきました。それを料理したことがないので、祖母は途方にくれたそうです。
心を強くする
長年通っていた近所のジムが、先月閉まってしまい、別のところに通い始めました。前いたところは温かい雰囲気で、おしゃべりをしながらトレーニングをする人が多かったので、汗をかくことが無いくらいでした。しかし、今度のジムは、真剣に身体を鍛えようとしている人ばかりです。激しいトレーニングと緊張感…。彼らの身体は確かに屈強です。しかし、心の方はどうでしょう。恵みで強められているでしょうか。
山びこ
レベッカが講演を始めると、マイクを通した言葉が山びこのように反響しました。彼女は自分の言葉が逐一跳ね返って来たり、音響システムを調節しながら話さなければならなかったりして少しイライラしましたが、気にしないようにして乗り切りました。
光を解き放つ
ある少女は「聖人」とはどのような人だろうと考えていましたが、ある日、母親と一緒に荘厳な大聖堂に行きました。そして、数々の聖書の場面を描いた美しく豪華なステンドグラスを見てこう言ったのです。「分かったわ。聖人とは光を解き放つ人たちね。」
キリストの香り
あなたの記憶は、五感のうちのどれによって最も呼び覚まされるでしょう。私の場合は嗅覚です。あるサンオイルの匂いは、フランスの海岸を思い出させます。にわとりのえさの匂いは、子どもの頃の祖母の家を思い出させます。松の香りはクリスマスを、あるローションは息子が十代の頃を思い出します。
蜜のようなみことば
エジプトのツタンカーメン王の墓所が1922年に発掘された時、墓の中には、たくさんの物品が詰まっていました。古代エジプト人が死後の世界で必要だと考えていた物で、金の神棚や宝石、衣装、家具、武器のほか、蜂蜜の壷もありました。その蜜は、3,200年を経てもなお、食べることができたのです。