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美しく回復

高名な芸術家マコト・フジムラは、著書『アート+信仰 創作の神学』で金継ぎについて記しています。金継ぎは、割れた陶器(元々は茶碗)の破片を元の器に漆で張り付け、ひび割れに金を入れ込む技術です。フジムラ氏は、それは「壊れた器を単に『修繕』するのではなく、元々の器よりも美しくする技術だ」と語っています。昔、武将のお気に入りの茶碗が壊れ、それを美しく修復したことに端を発し、それが高く評価され、求められる芸術になったそうです。

罪ある人間そのもの

英国の作家イーヴリン•ウォーは、言葉づかいの悪さで人柄が分かるような人でした。やがてキリスト者になりますが戦いは続き、ある日、「そんな態度でクリスチャンだと言えるのですか」と言われました。すると彼は、「私はひどいかもしれません。でも、信仰がなければ、人間以下だったでしょう」と答えました。

現実を生きる人、そして神

数年前、自分の家庭に起こった悲劇を「デイリーブレッド」の中で明かすと、ある読者から一通の手紙を受け取りました。そこには、「あのデボーション・エッセーを読んで、『デイリーブレッド』の筆者たちは、私たちと同じ現実を生きる普通の人たちだと気づきました」と書かれていました。全く、そのとおりです。 「デイリーブレッド」の筆者たちを見ると、癌の苦しみ、反抗的な子ども、実現しない願いなど、様々な痛みの中にいます。私たちは、この世の現実を生きる普通の人で、現実の苦悩を分かってくださる、今ここにおられる神について書いています。